レクシプローラの英語放浪ブログ

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【原型不定詞】共通テストの英文で、原型不定詞の読み取り方を学べ!

 

原型不定詞とは

to がつかずに動詞の原形で不定詞の働きをするものを原形不定詞と言います。基本的に
は、原形不定詞は補語(C)になることが多く、その意味上の主語は目的語(O)になります。例えば、My father let me go to the movies.という文で考えてみましょう。構造は以下のようになっています。

 

let は let OC という第5文型の形をとって、「OにCさせる」という意味を持ちます。こ
こではgoという動詞の原形が使われていて、これをVとしてしまうと、letの扱いに困っ
てしまいます。そこで、これは原形不定詞として処理し、meをO、goをCとして扱いま
す。「行かせてくれた」のはmy fatherですが、goしたのはme(私)なので、原形不定詞であるgoの意味上の主語はmeという目的語(O)であることがわかります。このようにして原形不定詞が使われるのです。同じような使い方で、以下のように表現が可能です。

 

 

原型不定詞はどのように使われるのか

使役動詞と一緒に使う

make、have、let などの使役動詞は、第五文型SVOCの形をとって「OにCさせる」と
いう意味をつくります。Cは原形不定詞を使います。

 

 

 

知覚動詞と一緒に使う

see、hear、feel などの、人間の五感(視覚、聴覚など)を表す動詞を「知覚動詞」と言います。これらの動詞は、第五文型SVOCの形をとって、「OがCするのを見る/聞く/感じる」のような意味を作ります。Cは原形不定詞です。 

 

 

原型不定詞を読み取ろう

ここからは、センター試験・共通テストで出題された英文から、原型不定詞を読み取ってみましょう!

 

【解説】

Then「それから」は副詞なのでいったん無視して始めましょう。左から右に目を移して
いき、letという動詞が見えてきたのでこれをV、その前の名詞句the weight of the coinをSとします。

 

次にlet は基本的には、第5文型SVOCの形で「OにCさせる」という意味を表す使役
動詞です。とりあえずletに「だれにさせるの?」ときいて、その回答であるa specific amount of water という名詞句をOにしておきます。 

 

 

ここまでやると、pour out「注ぎ出す」という動詞が見えてきます。ただ、letをVとし
ていること、そして、もうすこし後ろを見てみると、fell offという過去形の動詞があって、pour out と時制が合わなそうなことから、pour out をVとすることはできそうにありません。このように、いつも通りに解釈を進めているはずなのに、動詞の原形が余ってしまう状態、処理がこれ以上できない状態になったとき、それは高確率で原形不定詞です。 原形不定詞とは、補語(C)になるのが基本ですから、先ほどOまでを解釈したのに合わせてCとおき、第五文型だと捉えましょう。

 

 

次は共通テスト追試からの出題です!

【解説】

it(S), is(V), important(C)、ここまでは特に解説をしなくても大丈夫ですね。さて文頭の
it ですが、特に手前に置き換えられる名詞が無いので、形式主語と予測して、文のうしろにその正体を期待しましょう。そうすると、直後にthatがあるので、これ以降のthat節を名詞節として捉えて、itの主語はthat~their livesだったと判断します。 
次に、that 節の中の解釈に移りましょう。peopleをS、startをVとわかれば、allyまで
は以下のように解釈できます。

 

 

次にwho以降を分析しましょう。literallyは「文字通りに」という意味の副詞ですから、
無視してみると、can makeという動詞が見えてきます。しかし、その主語が見当たらないので、これは不完全文だとわかり、who 以降の節は関係代名詞節だと判明します。who 節は手前の名詞ally「味方」に修飾します。そうすると、次はcan makeに「だれにmakeするの?」ときいて、その答えであるthemを目的語としましょう。ここまで解釈すると、動詞のsmileが出てきます。ただこれをVとしてしまうと、can makeの解釈が不可能です。よって、smileは原形不定詞とみて補語(C)として処理し、make OC「OにCさせる」という使役の意味で訳します。 

 

 

次で最後の問題です!

 

【解説】

前半の文(コンマまで)は特に難しいことはありません。be interested inは「~に興味がある」ですね。さらに、andは「interactions」と「behavior」をつないでいることがわかれば、seeing の目的語はtheir natural behavior and interactions と判断して、以下のように解釈できます。

 

次に後半の文に移りましょう。前半部分で接続詞ifが使われたことから、後半でも節(SVを含むカタマリ)が出ると期待して読み進めます。いつも通り動詞から探すと、まずcomeに出会います。いったん「これがVかな」と思ってさらに読み進めてみると、might work という動詞が出てきてしまいました。この文に接続詞が1個しかないので、comeとmight workのどちらかは絶対にV になりません。つまり動詞が1つ余ってしまうわけです。余った動詞の処理は、概ね「過去形だと思ってたら過去分詞だった」か、「動詞の現在形かと思ってたら、原型不定詞だった」の2通りです。今回は後者です。might workは助動詞が含まれる以上、Vとする以外の解釈の方法がありません。よって、余っているcomeは、「文中で余った動詞の原形」=「原形不定詞」としましょう。

次に、原形不定詞は基本的には何かしらの動詞の「補語」になり、その際、文型はVOCの順(第5文型)になるんでしたね。原型不定詞を用いて第5文型を取る動詞は、使役動詞の「have, make, let」と知覚動詞「see, watch, hear など」です。そのため、手前に以上のような動詞を探すと、having があります。ここでhaving them come to you の部分に注目しましょう。原形不定詞は補語になることを考えると、havingの目的語としてthemが、補語としてcomeがあって、「have OC」の形が見えてきます。もちろん―ingになっている以上Vとはしませんが、各語の関係性はそうなっていたのです。 
さて、先ほどmight workを動詞(V)としたので、主語(S)が必要です。andは前後
で同じ形をつなぎますから、getting~と having~をつないでいるとわかります。これらを動名詞ととって、主語にしましょう。

 

 


以上、実際に出題された英文とともに、原型不定詞を解説してみました。「訳せること」そのものよりも、構造を把握したり、原型不定詞だと判断できたりするような状態を、まずは目指してください!