レクシプローラの英語放浪ブログ

あなたの英語の「わからない」と「なぜ」に答える英語学習ブログです。

【共通テストで英文解釈➅】形式目的語・名詞構文など、読解に役立つ知識を手に入れよう!

 

はじめに

【共通テストで英文解釈】第5弾!今回は2021年度共通テスト追試第6問Bからの出題です。

これまでの記事は以下からどうぞ!

※当シリーズにおける学習の進め方は、第1弾(以下のリンク)に示してあるので、ぜひご参照ください。

 

englishmate1031.hatenablog.com

englishmate1031.hatenablog.com

englishmate1031.hatenablog.com

englishmate1031.hatenablog.com

englishmate1031.hatenablog.com

 

問題編:【共通テストで英文解釈➅】問題編.pdf - Google ドライブ

解説編:【共通テストで英文解釈➅】解説編.pdf - Google ドライブ

 

問題➀

【解説】

in fact「実際は」が文頭にあり、前置詞句であることから後ろに節を探していきます。actuallyは副詞で「やはり」などの意味です。to speakはto+動詞の原形の、いわゆるto不定詞のカタマリです。よって、poor oral healthがS、can〈actually〉makeがVです。makeだけだと「何を?」と聞けてしまうので、後ろのitが目的語Oですね。残った形容詞difficultを補語Cとして、以下のように、第5文型の文と見ます。

 

 

形式目的語について知っておこう!

to speakのように、to+動詞の原形を見た場合、「名詞的用法」「形容詞的用法」「副詞的用法」の3つの可能性があります。結論から先に言えば、今回は名詞的用法です。ここで問題となるのは、itなんです。

 

まず、形式主語というのをご存じでしょうか。中学生で不定詞を習うと出てくるものです。以下で簡単に説明します。

 

例えば

 

という文があったとしましょう。isがVで、その前にあるTo study Englishを主語Sにします。主語になれるのは名詞だけなので、To study Englishは名詞的用法だとわかります。さて、ここで、どうやら英語話者の中には、本命の動詞であるisが出てくるまでの時間が長いなと感じる人がいるようです。まあ現に、3語かかっているわけですからね。そこで、こんな手法をとります。

 

 

まず主語を代わりにitとして、その正体を後ろで明かすということです。その方が、動詞Vのisに行くまでの距離が圧倒的に短いわけですね。このように、英文の形を良くするために主語として使われたitを「形式主語」と呼びます

 

さて、主語でこれをやっていいなら、別に目的語でやってもよくないですか?実は、今回本文にでていたitは、さきほどの形式主語に対して、「形式目的語」というものなんです。

 

元の文は、



となっていたわけです。第五文型SVOCは「OをCにする」の訳が基本なので、「悪い口腔の健康状態は、話すことを難しくする」のような訳になります。そして、さっきと同じように、目的語が長くてなんかやだなって人がいるみたいで、以下のような感じで書き換わって、本文にあった表現になります。

 

 

一旦itをおいて、その正体を後ろで明かすというかたちをとっただけなので訳が変わるわけではありません。このように、文中の主語や目的語がitになっていて、後半にto不定詞が出てくるなら、形式主語や形式目的語を疑ってみてください

 

以上の内容から、解説と訳は以下のようになります。

問題➁

 

【解説】

文頭にtakingという、動詞のing形が来ています。動詞のing形には、「動名詞(名詞の働き)」「現在分詞(形容詞の働き)」「分詞構文(副詞の働き)」の、3つの可能性があります。手前に修飾できる名詞はないので、現在分詞はなさそうですね。あとは後ろを読んでから決めましょう。間違っても、ingとコンマがある!分詞構文だ!なんて読み方はしないこと。

 

Taking~のカタマリがコンマでおわり、その後はthe Ministry of health~と続きます。もう少し読み進めると、has been analyzingという動詞が見えたのでこれをVにしましょう。となると、その前にある名詞句the Ministry of Health, Labour and WelfareをSにします。ここで、「Labour and Welfareが複数を表す語だから、主語にならないのでは?」「それならTakingが動名詞で主語Sとするのが妥当では?」となる人もいるかと思います。しかし、has been analyzingとあり、「分析している」のは人や機関とするのが普通です。まさか「takeすること」が何かを分析しているなんて文はないでしょう。the Ministry of Health, Labour and Welfareというのは、「厚生労働省」という意味です。大文字で固有名詞として書かれていることから、これを1つ(単数)の名詞(句)としても差し支えありません。

 

となると、taking~が「動名詞」である可能性も消えたので、「分詞構文」として訳しましょう。分詞構文の訳は様々ですが、慣れないうちは「~して」と訳せばとりあえずはOKです。take a look at~で「~をみる」なので、taking a closer look at Japanは「日本をもっとよく見て(みると)」くらいに訳しておくといいでしょう。

 

さてhas been analyzingをVとしたわけですから、「何を?」分析するのか聞いて、その後ろにあるsurvey data~が目的語Oです。あとは前置詞のカタマリをくくって、順番に処理すれば訳は完成です。

 

ここまでで、構造と訳は以下のようになります。

 

 

★名詞構文について知っておこう

先ほど、take a look at~で「~をみる」と言いましたが、「これ別にlook atでよくね?」って感じしませんか?take a look atだと、lookという動詞がa lookという名詞になっていますね。このような、動詞が名詞として文中に組み込まれるものを、名詞構文と言います。

 

厳密には違うのですが、これって日本語の感覚にも似たようなものがあるんです。

 

例えば、「使う」という動詞がありますね。これをもうちょっとだけ固い言い方で、別の表現をしてと言われたら、「使用する」っていう表現が浮かびませんか?「使う」という動詞だけの表現が、「使用(名詞)+する(動詞)」というように、名詞を使った表現に書き換わっていますねよね。これと同じようなことが、英語でも起こっているんです。例えば…

 

 

のように書き換えることができます。このように、いつもなら動詞だけで表現するところを、名詞として使うことで、文をよりフォーマルなものにすることができるのが、分詞構文なのです。

問題➂

【解説】

文頭に名詞peopleが見えたので、まあこれが主語Sになるだろうという予測のもと、後ろに動詞を探しに行きます。途中でseekingが見えますが、これは動詞にはなりませんよ。先にも述べた通り、動詞のing形は、「動名詞(名詞の働き)」「現在分詞(形容詞の働き)」「分詞構文(副詞の働き)」のどれかなので動詞Vにはなりません。手前にpeopleという名詞があるので、名詞を修飾する➡形容詞の働き➡現在分詞として処理しておきます。もうちょっと読み進めるとmay brushが見えるのでこれをV、brushは「歯を磨く・歯磨きをする」という動詞です。several times per dayは「1日に数回」という副詞句ですね。以上の内容から、解説と訳は以下のようにまとまります。

 

おわりに

形式目的語は find it 補語 to 不定詞 のような形でもよく出てきます。基本的には形式主語となにも変わりませんから、後ろにitの正体を探してみるという姿勢を身に付けてください。名詞構文は、まず日本語の感覚からアプローチしてみるといいでしょう。根拠を持った訳を常に心がけましょう!