レクシプローラの英語放浪ブログ

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【共通テストで英文解釈➆】強調構文を読み取れ!仮定法の楽なとらえ方も!

 

はじめに

【共通テストで英文解釈】第5弾!今回は2021年度共通テスト追試第5問からの出題です。

これまでの記事は以下からどうぞ!

※当シリーズにおける学習の進め方は、第1弾(以下のリンク)に示してあるので、ぜひご参照ください。

 

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問題編:

解説編:

 

問題➀

 

【解説】

SheがS、livedがVまではいいですね。後ろにあるher lifeという名詞ですが、これを補語Cとすると、「彼女=彼女の生活」というわけのわからないことになってしまうので、目的語Oと考えます。live「生きる/(in)~に住む」以外にも、目的語をとって「(生活)をおくる」という意味で使うこともできます。as a caregiverは「介護者として」という前置詞句なので、ここまでで、「彼女は介護として生活を送り」と訳せます。

 

andを挟んで接続詞ifが見えたので、この後に節があることがわかります。if it had not been for A「Aなかったら」という、仮定法過去完了の表現です。その後も読み進め、コンマでif節が終わり、次の節が来ると思って読んでいきます。

 

her incredibe work「彼女のすばらしい作品」という名詞句が見えたのでこれをSに、その後にでてきたmight never have been discoveredをVにしましょう(beenまでをVにして、discoveredをCとしてもOKです)。

 

ここまでで、解説と訳は以下のようになります。

 

仮定法の考え方

仮定法の解釈として以下の2つポイントを意識しましょう。

 

 

➀について

どうやら英語では「ありえないこと」「ありえること」の区別を文法によって行っているようです。そしてこの「ありえないこと」を示すのが仮定法です。

 

良くある例文で…


というのがあります。まあ言わずもがな人間である「私」が発した言葉です。人間はおそらく何があっても鳥にはなれないので、「いま自分はありえないことについての話をしている」というアピールをする必要があります。そこで、通常であればI amと書くところを、I wereに、I can flyと書くところをI could flyという風に、「あえて」時制を過去にずらして書いています。「鳥だったらとべるのになー」というのは、「今」のことについて話しているはずなのに、あえて過去形を使っているのです。

このように、仮定法はその話のあり得なさを表現するべく、現在のことについてあり得ないことを言うなら過去形に、過去のことについてあり得ないことを言うなら過去完了で表現するのです。つまり、時制をわざと1つずらすというわけですね。

 

➁について

よくifを見つけて仮定法かを判断する人を見かけますが、実は仮定法かどうかを見分けるポイントは助動詞の過去形です。ifだけで仮定法を判断しようとすると、ifが無い仮定法に出会ったときに詰みます。詳しいことはここでは書きませんが、仮定法では基本的に95%くらいの確率で助動詞の過去形を使うので、そこを起点に仮定法を見抜きましょう。実際に、さっきの例文でも、couldというcanの過去形が使われていますね。

 

問題➁

【解説】

second「第二に」とあって次から節が始まります。it is clearとあるので、SVCまではわかりますが、itが何かわかりません。この文は長文中から抜粋しているのですが、この前にもitが示せる名詞があるわけではなかったので、後ろにその正体を探すことにしましょう。つまり、今のところ「なにがclearなんだ?」という状態です。

 

from interviewsとwith the familyはそれぞれ前置詞句なので()でくくりましょう。そのあとのshe worked forですが、forは前置詞なので、後ろには本来名詞がこなければいけないのに、かけてしまっています。よってshe worked forが「不完全文」であることから、手前の名詞the familyに修飾する、関係代名詞のカタマリだと捉えます。

 

 

さて、that節が見えてきました。VivianがS、wasがV、a private personがCのシンプルな文です。特にかけているものもありませんから、関係代名詞や強調構文のthatではなさそうです。となると、まだ「なにがclearなんだ?」という疑問の答えが見つかっていなかったので、これをその解答として、thatは「~ということ」という名詞節をつくったものとして処理しましょう。itの正体を後ろで明かす、つまり形式主語ですね。

※形式主語や形式目的語については【共通テストで英文解釈➅】でも扱っていますので、ご参照ください。

※強調構文については、問題➂にて詳しく扱います。


以上の内容から、解説と訳は以下のようになります。

問題➂

【解説】

とりあえず文頭からcameraまでを見ていきます。

In 1952, at the age of 26「1952年、26歳の時」は、文型にはなんの影響もないので一旦無視。その後sheが見えるのでこれをS、purchase「購入する」をVとします。もちろんいつも通り「何を?」と聞いて、後ろのher first 6×6 cameraを目的語Oとします。

 

コンマをまたいで等位接続詞andが見えたので、この後にも節を期待しましょう。後ろにはit was with this とありますが、「なんだこの形?」って感じですね。「それはこれと一緒だった?」だと変ですもんね。このままの解釈だとやな感じがするので、このうしろを見ると、thatが見えたので、「あ、これ後半の節からwith this を前に持ってきた強調構文っぽいな」と思えたかがめっちゃ重要です。

 

that節は、動詞がwere takenしかないのでこれを動詞Vにして、その前にあるmost of her~Chicagoまで全部主語Sとなります。ここまでで、構造と訳を以下に示します。強調構文はこの後に軽く説明しますね。

 

 

★強調構文について

共通テストで英文解釈➃】でも取り上げたのですが、こちらでも再度同じように説明します。

 

強調構文とは、通常の文から強調したい語句をそのまま抜き取って、it is ~ that…の「~」の部分に入れる構文です。訳は「…なのは~だ」となります。例えば…

 

Mike saw Tom at the library on February 2.  マイクは2月2日に図書館でトムに会った。

 

という文で

 

・Tomを強調したいなら…

It was Tom that Mike saw at the library on February 2.

マイクが2月2日に会ったのはトムだ。

 

・at the libraryを強調したいなら…

It was at the library that Mike saw Tom on February 2.

マイクが2月2日に会ったのは図書館だった。

 

・on Februray 2を強調したいなら…

It was on February 2 that Mike saw Tom at the library,

マイクが図書館でトムに会ったのは2月2日だった。

 

※時制は、元の文が現在形だったならisに、過去形だったならwasにするのが基本です。

 

以上のように、もとの文で強調したいなと思った語句を前に出す性質から、that節の中は何かが欠けた状態、つまり不完全になることが多いです。しかしこの説明もむずかしいところで、通常英語の世界で不完全文とは「主語か目的語か補語(名詞)、または前置詞とセットだった名詞」が欠けた文を指します。ただ、例えば上述の例文におけるat the libraryやon Febrary 2のように、前置詞のカタマリごと前にでることもあるので、that節が「え、別に不完全文じゃなくね?」となることがあります。

そのため、「不完全文」の他に、it is 前置詞句 thatのような形になっていた場合も、強調構文を疑うという観点を持っておいた方がいいでしょう。問題の文である、it was with this that~はまさに同じ形ですね。強調構文が妥当でしょう。

 

おわりに

強調構文や仮定法などについて、正しい判断基準を持っておきましょう。その節の文の特徴、使われている語句などから、瞬時に判断できるようになるまで、なんども英文を読み直してみてください。