レクシプローラの英語放浪ブログ

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【共通テストで英文解釈③】文構造の予測をしつつ、異変に気づいたら修正しよう!

 

はじめに

【共通テストで英文解釈】第3弾!今回は2023年度共通テスト第6問Bからの出題です。

これまでの記事は以下からどうぞ!

※当シリーズにおける学習の進め方は、第1弾(以下のリンク)に示してあるので、ぜひご参照ください。

 

englishmate1031.hatenablog.com

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問題編:【共通テストで英文解釈③】問題編.pdf - Google ドライブ

解説編:【共通テストで英文解釈③】解説編.pdf - Google ドライブ

 

問題①

【解説】

なんだか動詞needとareが並んでいて、どれをVとしたらよいのかわかりませんね。これらの処理から入っていきましょう。まずtheyというのは「主格」と言って、主語になる形(=格)になっていますから、後ろにある動詞needとtheyに主語と述語の関係にあるのでしょう。残った動詞areについてですが、これの主語は絶対に複数形です。手前に複数を表す語はtheyとallだけで、theyはもうneedに使ってしまったので、areの主語はAllのみです。今の段階では以下のように分析できます。

 

さて、ここでAll S+Vについて考えます。

 

①allは名詞(厳密には代名詞)としての役割をもつこと。

ジーニアス英和辞典には以下のような記載があります。

出典:ジーニアス英和辞典 第5版

②needの目的語が欠けていてthey needは不完全文であること。

⇒関係代名詞の節は常に不完全文

 

の2点から、Allとtheyの間には関係代名詞が省略されていて、All (that) they need areで「彼らが必要なすべてのことは」と訳すことができます。ちなみに、theyというのは、この話ではクマムシのことでした。

 

あとは特に難しいことはありません。be動詞は補語をとるので、areの後ろCになりうるものを期待します。orはandなどと同様に、「同じものをつなぐ」等位接続詞なので、前後にある名詞をつないだとみて、areの補語Cは、a few drops or a thin layer of water to live inです。to不定詞のカタマリto live inは、手前の名詞(drops「水滴」やwater「水」)に修飾する形容詞的用法「~するための」ととってもいいですし、または、副詞的用法「~するために」と解釈してもいいでしょう。個人的には後者の方が妥当と感じたので、こっちを採用します。

 

ここまでの内容をまとめて、解説と訳は以下のようになります。

 

問題②

【解説】

前半のwhen節は特に問題ないでしょう。「水が乾き切ると」くらいがいいでしょうか。ところでこのupですが、よく何かの動詞とくっついて、句動詞や熟語のような立ち回りをしますが、実際のところup自体はただの「強調の副詞」なので、元の動詞の意味をちょっと強めれば、基本的に訳が作れます。例えば…

 

eat 食べる⇒eat up 食べきる

clean きれいにする⇒clean up(ほこり一つもないくらいに)きれいに掃除する。

pay 払う⇒pay up (借金などを)全部返済する

 

などのような感じです。dryは「乾く」という意味ですから、dry upなら「乾き切る」くらいが妥当でしょう。

 

問題は後ろのso do theyですね。まずsoには、「副詞」「接続詞」の役割があります。「副詞」は様々な使い方があるのですが、「接続詞」というのは等位接続詞soのことで、「だから」という訳が一般的です。ただ、When the water dries up, so do they.という文では、節が2個なのに対して、whenという接続詞がすでにもうあるので、これ以上接続詞はいりません。よって、soは「副詞」だとわかります。

 

この後が問題で、soの後ろが明らかに倒置しています。theyというのは主格、つまり主語になる形(=格)です。I my me mineの「I」と同じですね。よって、主語にならなければいけないので動詞が必要です。もう使える動詞はdoしかないので、後半の節は、doがV、theyがSです。これで倒置に気づけましたね。

 

さて、ここで1つ覚えてほしいのが、soを使った同意表現です。辞書には以下のような記載があります。

 

出典:ジーニアス英和辞典 第5版

soを使って、「まさにその通り」「~もそうだ」と同意を示すことができるようです。なお、倒置した場合、つまりso do Sの語順の時は、「Sも(また)そうである」で訳しますから、今回のso do theyも同じように訳しましょう。

ここまでの内容をまとめて、解説と訳は以下のようになります。

 

 

問題③

【解説】

Exactlyは「正確に、厳密に」などの意味を表す副詞なので、この後にSやVなどを探していきます。するとhowがあって、they achieveと節が続きます。achieveは「達成する」という動詞ですから、これだけだと「何を?」と聞かれてしまうので、後ろのthisがその目的語でしょう。となるとisの主語はその全体にするしかなくなります。

間違っても、this isをつなげたらなんかいい感じ!とか思ってはいけません。それだとachieveの目的語がなくなって説明がつきません。あくまでもhow節がいつ終わるかなと待ち構えて、次に動詞が出てきた時点で区切りましょう。stillとfullyについてはただの副詞ですから無視して、understoodを見つけたので、isとunderstoodで「be動詞+過去分詞」の受け身(受動態)と認識しましょう。

 

以上の内容から、解説と訳はこんな感じになります。

 

問題④

【解説】

This meansとS・Vが見えたので、mean「意味する」に「何を?」と聞いて、その答えがthat以下となります。「何を?」と聞いて返ってくる答え、つまり目的語は名詞だけなので、thatが導くのは名詞のカタマリ(名詞節)になるのでしょう

 

ではここからthatの中身についてみていきましょう。

まず前置詞forがあるので、()でくくりましょう。かっこを閉じるタイミングは名詞が出てきた時ですから、for 10 daysで1つのカタマリです。となると、mostがS、were able to surviveがVと考えられます。mostは基本的に「大半の」という形容詞で使うので、本当はこの後ろに名詞があるのですが、前にその名詞が出てきているときや言わなくてもわかるときは省略できます。例えば、Most people have their own smartphone.をMost have their own smartphone.としても良いということです。先述した通りこれはクマムシについての話なので、本当はmostの後ろにあるべきtardigrade(クマムシ)が省略されています。

 

※wereをV、ableをCとするのが厳密には正しいですが、were able to survive「生き残ることができた」ごとVとするほうがこの後の解釈が楽なのでそうします。

 

さて、surviveは「~を生き延びる」という他動詞です。当然「なにを?」と聞いて、後ろに目的語を期待します。ちょっと目線をうしろにやると、等位接続詞andが見えたので、andの後ろにはultraviolet radiation「紫外線」という名詞がありますから、手前の名詞X-raysと一緒につないだものとみて、X-rays and ultraviolet radiationをOとします。

 

次に後ろの1,000 times more intense than here on earthについてです。これは例えば、

 

 

と同じで、差の程度+比較級の形をとっています。timesは「~倍」という表現です。timeとは全く別の単語ですから注意しましょう。よって、1000倍+intense「激しい」ということです。here on earthは、直訳すると「地球上のここ」ですが、「地上」くらいに訳しておきましょう。よって、後半部分は、「地上の1000倍も激しい」となります。なお、「地上の1000倍も激しい」のは当然、X-rays and ultraviolet radiationでしょうから、1,000 times more intense than here on earthは、手前にある名詞に対して修飾する、形容詞のカタマリだと捉えましょう

 

以上の内容をまとめて、解説と訳は以下のようになります。

 

 

 

おわりに

英文を読むときは、この後にこういうのが来るんじゃないかな?と予測し、もしその予測が外れたなら、自分が知りうる知識をフル活用して修正しましょう。また、今回は倍数表現と倒置について、文法書などで確認しておくと良いでしょう。