レクシプローラの英語放浪ブログ

あなたの英語の「わからない」と「なぜ」に答える英語学習ブログです。

【共通テストで英文解釈➆】強調構文を読み取れ!仮定法の楽なとらえ方も!

 

はじめに

【共通テストで英文解釈】第5弾!今回は2021年度共通テスト追試第5問からの出題です。

これまでの記事は以下からどうぞ!

※当シリーズにおける学習の進め方は、第1弾(以下のリンク)に示してあるので、ぜひご参照ください。

 

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問題編:

解説編:

 

問題➀

 

【解説】

SheがS、livedがVまではいいですね。後ろにあるher lifeという名詞ですが、これを補語Cとすると、「彼女=彼女の生活」というわけのわからないことになってしまうので、目的語Oと考えます。live「生きる/(in)~に住む」以外にも、目的語をとって「(生活)をおくる」という意味で使うこともできます。as a caregiverは「介護者として」という前置詞句なので、ここまでで、「彼女は介護として生活を送り」と訳せます。

 

andを挟んで接続詞ifが見えたので、この後に節があることがわかります。if it had not been for A「Aなかったら」という、仮定法過去完了の表現です。その後も読み進め、コンマでif節が終わり、次の節が来ると思って読んでいきます。

 

her incredibe work「彼女のすばらしい作品」という名詞句が見えたのでこれをSに、その後にでてきたmight never have been discoveredをVにしましょう(beenまでをVにして、discoveredをCとしてもOKです)。

 

ここまでで、解説と訳は以下のようになります。

 

仮定法の考え方

仮定法の解釈として以下の2つポイントを意識しましょう。

 

 

➀について

どうやら英語では「ありえないこと」「ありえること」の区別を文法によって行っているようです。そしてこの「ありえないこと」を示すのが仮定法です。

 

良くある例文で…


というのがあります。まあ言わずもがな人間である「私」が発した言葉です。人間はおそらく何があっても鳥にはなれないので、「いま自分はありえないことについての話をしている」というアピールをする必要があります。そこで、通常であればI amと書くところを、I wereに、I can flyと書くところをI could flyという風に、「あえて」時制を過去にずらして書いています。「鳥だったらとべるのになー」というのは、「今」のことについて話しているはずなのに、あえて過去形を使っているのです。

このように、仮定法はその話のあり得なさを表現するべく、現在のことについてあり得ないことを言うなら過去形に、過去のことについてあり得ないことを言うなら過去完了で表現するのです。つまり、時制をわざと1つずらすというわけですね。

 

➁について

よくifを見つけて仮定法かを判断する人を見かけますが、実は仮定法かどうかを見分けるポイントは助動詞の過去形です。ifだけで仮定法を判断しようとすると、ifが無い仮定法に出会ったときに詰みます。詳しいことはここでは書きませんが、仮定法では基本的に95%くらいの確率で助動詞の過去形を使うので、そこを起点に仮定法を見抜きましょう。実際に、さっきの例文でも、couldというcanの過去形が使われていますね。

 

問題➁

【解説】

second「第二に」とあって次から節が始まります。it is clearとあるので、SVCまではわかりますが、itが何かわかりません。この文は長文中から抜粋しているのですが、この前にもitが示せる名詞があるわけではなかったので、後ろにその正体を探すことにしましょう。つまり、今のところ「なにがclearなんだ?」という状態です。

 

from interviewsとwith the familyはそれぞれ前置詞句なので()でくくりましょう。そのあとのshe worked forですが、forは前置詞なので、後ろには本来名詞がこなければいけないのに、かけてしまっています。よってshe worked forが「不完全文」であることから、手前の名詞the familyに修飾する、関係代名詞のカタマリだと捉えます。

 

 

さて、that節が見えてきました。VivianがS、wasがV、a private personがCのシンプルな文です。特にかけているものもありませんから、関係代名詞や強調構文のthatではなさそうです。となると、まだ「なにがclearなんだ?」という疑問の答えが見つかっていなかったので、これをその解答として、thatは「~ということ」という名詞節をつくったものとして処理しましょう。itの正体を後ろで明かす、つまり形式主語ですね。

※形式主語や形式目的語については【共通テストで英文解釈➅】でも扱っていますので、ご参照ください。

※強調構文については、問題➂にて詳しく扱います。


以上の内容から、解説と訳は以下のようになります。

問題➂

【解説】

とりあえず文頭からcameraまでを見ていきます。

In 1952, at the age of 26「1952年、26歳の時」は、文型にはなんの影響もないので一旦無視。その後sheが見えるのでこれをS、purchase「購入する」をVとします。もちろんいつも通り「何を?」と聞いて、後ろのher first 6×6 cameraを目的語Oとします。

 

コンマをまたいで等位接続詞andが見えたので、この後にも節を期待しましょう。後ろにはit was with this とありますが、「なんだこの形?」って感じですね。「それはこれと一緒だった?」だと変ですもんね。このままの解釈だとやな感じがするので、このうしろを見ると、thatが見えたので、「あ、これ後半の節からwith this を前に持ってきた強調構文っぽいな」と思えたかがめっちゃ重要です。

 

that節は、動詞がwere takenしかないのでこれを動詞Vにして、その前にあるmost of her~Chicagoまで全部主語Sとなります。ここまでで、構造と訳を以下に示します。強調構文はこの後に軽く説明しますね。

 

 

★強調構文について

共通テストで英文解釈➃】でも取り上げたのですが、こちらでも再度同じように説明します。

 

強調構文とは、通常の文から強調したい語句をそのまま抜き取って、it is ~ that…の「~」の部分に入れる構文です。訳は「…なのは~だ」となります。例えば…

 

Mike saw Tom at the library on February 2.  マイクは2月2日に図書館でトムに会った。

 

という文で

 

・Tomを強調したいなら…

It was Tom that Mike saw at the library on February 2.

マイクが2月2日に会ったのはトムだ。

 

・at the libraryを強調したいなら…

It was at the library that Mike saw Tom on February 2.

マイクが2月2日に会ったのは図書館だった。

 

・on Februray 2を強調したいなら…

It was on February 2 that Mike saw Tom at the library,

マイクが図書館でトムに会ったのは2月2日だった。

 

※時制は、元の文が現在形だったならisに、過去形だったならwasにするのが基本です。

 

以上のように、もとの文で強調したいなと思った語句を前に出す性質から、that節の中は何かが欠けた状態、つまり不完全になることが多いです。しかしこの説明もむずかしいところで、通常英語の世界で不完全文とは「主語か目的語か補語(名詞)、または前置詞とセットだった名詞」が欠けた文を指します。ただ、例えば上述の例文におけるat the libraryやon Febrary 2のように、前置詞のカタマリごと前にでることもあるので、that節が「え、別に不完全文じゃなくね?」となることがあります。

そのため、「不完全文」の他に、it is 前置詞句 thatのような形になっていた場合も、強調構文を疑うという観点を持っておいた方がいいでしょう。問題の文である、it was with this that~はまさに同じ形ですね。強調構文が妥当でしょう。

 

おわりに

強調構文や仮定法などについて、正しい判断基準を持っておきましょう。その節の文の特徴、使われている語句などから、瞬時に判断できるようになるまで、なんども英文を読み直してみてください。

 

【雑記】英語ができないひとは国語に原因があるかも【勉強法】

英語の成績が急に頭打ちになる現象

数年ほど塾で英語を教えていて、(模試などで)英語の偏差値が60手前くらいで、途端に伸びなくなる、という生徒をよく見かけます。面白いのが、中学生でも高校生でも、こんなことが起こるんです。こうした症状を持った生徒全てというつもりはありませんが、割と多くの生徒が、国語であまり得点できていないように感じます。同じ言語について扱う科目として、なにか能力的な関連があるのではないかと思うのです。

 

実際にそうした子に現代文の指導を1か月ほどしたり、または参考書を指定して進めるように指示すると、じわじわと英語の成績も伸びるなんて子がよくあります。ちなみに私はこうした子たちとは全く逆で、最初に得意になったのは国語でした。そこから英語もある程度はできるようになったという感じです。

 

英語と国語は、突き詰めれば同じことをやっている

我々日本人は、特に受験生であれば、英語で書かれた文字列を、日本語を介することによって理解します。ここ最近は、「英語を英語で理解しよう」というようなことが巷に溢れていますが、確かに理想的ではあるものの、あまり現実味があるようには感じません。そこまでの能力を身に付けるには、相当な量の英語を聞き、読む必要があるからです。他の教科もちゃんと勉強しなければならない受験生にとっては、さすがに難しいのではないかと思います。

さて話を戻して、異言語である英語を、私たちは日本語によって理解することになります。だから結局は、全ての英語をできる限り頭の中で日本語に訳して、「普段読んでいる日本語の文章よりも、内容的には少し簡単であるはずの日本語を読む」という行為をすることになるわけです。となると、単語や文法がある程度完成した人間にとって、最後に必要な能力は、「日本語の読解力」ということになります。

要は、英語を読んでいるように見えて、結局は日本語の文章を読んでいるのと対して変わらないということです。

 

現代文はセンスか?

とある生徒にこんなことを言われたことがあります。

 

「今日学校の国語の先生に、現代文が苦手だからどうしたらよいかと相談したら、正直は国語はセンスだからなぁ~、といわれました…。」

 

私も高校時代に、現代文が得意な友達と話したときに、その子は現代文の勉強はしたことがないと言っていました。どうやら一定数国語はセンスでゴリ押しする教科であると考える人がいるらしく、先生ですらそう思っている人もいるみたいです。

 

現代文は「センス」でしょうか?

 

私の答えは、「めっちゃちゃんとした正しい読み方を、無意識でやって高得点をとってきた人間が、センスといっているだけ」です。

 

予備校に行ったり、参考書を買ったり、現代文の正しい読み方・解き方を指南してもう手段はいまやいくらでもあります。そこでは、「こういうときはこう読もうね」という、現代文の正しい読み方が、言語化されて書いてあります。ある程度そういう読み方をマスターすると、「あ、ここってたしかこう理解するといいんだっけ」というシーンが、問題を解く中で増えていくわけです。これは、指南された内容を「意識的」に引き出して、文章を理解しようとしているわけですが、現代文がめっちゃ得意な人というのは、そういう正しい読み方をまったく無意識でやることができるという、超人的な才能を持っているのです。

 

そういう並外れた能力を持つ人間と同じ土俵で勝負するのは無理があります。なら、どうするのか。「意識的に正しく読む」。それでいいわけです。

 

正しい読み方を身に付けよう

多くの受験生が国語と英語を併用して受験するでしょうから、どうか現代文の勉強は手を抜かないでください。結局は同じ「言語」です。読み方が大きく異なるということはありません。「具体と抽象」「論理」など、「言語」を使ってなにかを述べようとするときには、それなりに共通したシステムを用いることになります。そうした読み方を、なるべく早い段階で身に付けてください。

 

もちろん、単語と文法をちゃんと完成させておくのは、大前提ですよ。

 

【共通テストで英文解釈➅】形式目的語・名詞構文など、読解に役立つ知識を手に入れよう!

 

はじめに

【共通テストで英文解釈】第5弾!今回は2021年度共通テスト追試第6問Bからの出題です。

これまでの記事は以下からどうぞ!

※当シリーズにおける学習の進め方は、第1弾(以下のリンク)に示してあるので、ぜひご参照ください。

 

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問題編:【共通テストで英文解釈➅】問題編.pdf - Google ドライブ

解説編:【共通テストで英文解釈➅】解説編.pdf - Google ドライブ

 

問題➀

【解説】

in fact「実際は」が文頭にあり、前置詞句であることから後ろに節を探していきます。actuallyは副詞で「やはり」などの意味です。to speakはto+動詞の原形の、いわゆるto不定詞のカタマリです。よって、poor oral healthがS、can〈actually〉makeがVです。makeだけだと「何を?」と聞けてしまうので、後ろのitが目的語Oですね。残った形容詞difficultを補語Cとして、以下のように、第5文型の文と見ます。

 

 

形式目的語について知っておこう!

to speakのように、to+動詞の原形を見た場合、「名詞的用法」「形容詞的用法」「副詞的用法」の3つの可能性があります。結論から先に言えば、今回は名詞的用法です。ここで問題となるのは、itなんです。

 

まず、形式主語というのをご存じでしょうか。中学生で不定詞を習うと出てくるものです。以下で簡単に説明します。

 

例えば

 

という文があったとしましょう。isがVで、その前にあるTo study Englishを主語Sにします。主語になれるのは名詞だけなので、To study Englishは名詞的用法だとわかります。さて、ここで、どうやら英語話者の中には、本命の動詞であるisが出てくるまでの時間が長いなと感じる人がいるようです。まあ現に、3語かかっているわけですからね。そこで、こんな手法をとります。

 

 

まず主語を代わりにitとして、その正体を後ろで明かすということです。その方が、動詞Vのisに行くまでの距離が圧倒的に短いわけですね。このように、英文の形を良くするために主語として使われたitを「形式主語」と呼びます

 

さて、主語でこれをやっていいなら、別に目的語でやってもよくないですか?実は、今回本文にでていたitは、さきほどの形式主語に対して、「形式目的語」というものなんです。

 

元の文は、



となっていたわけです。第五文型SVOCは「OをCにする」の訳が基本なので、「悪い口腔の健康状態は、話すことを難しくする」のような訳になります。そして、さっきと同じように、目的語が長くてなんかやだなって人がいるみたいで、以下のような感じで書き換わって、本文にあった表現になります。

 

 

一旦itをおいて、その正体を後ろで明かすというかたちをとっただけなので訳が変わるわけではありません。このように、文中の主語や目的語がitになっていて、後半にto不定詞が出てくるなら、形式主語や形式目的語を疑ってみてください

 

以上の内容から、解説と訳は以下のようになります。

問題➁

 

【解説】

文頭にtakingという、動詞のing形が来ています。動詞のing形には、「動名詞(名詞の働き)」「現在分詞(形容詞の働き)」「分詞構文(副詞の働き)」の、3つの可能性があります。手前に修飾できる名詞はないので、現在分詞はなさそうですね。あとは後ろを読んでから決めましょう。間違っても、ingとコンマがある!分詞構文だ!なんて読み方はしないこと。

 

Taking~のカタマリがコンマでおわり、その後はthe Ministry of health~と続きます。もう少し読み進めると、has been analyzingという動詞が見えたのでこれをVにしましょう。となると、その前にある名詞句the Ministry of Health, Labour and WelfareをSにします。ここで、「Labour and Welfareが複数を表す語だから、主語にならないのでは?」「それならTakingが動名詞で主語Sとするのが妥当では?」となる人もいるかと思います。しかし、has been analyzingとあり、「分析している」のは人や機関とするのが普通です。まさか「takeすること」が何かを分析しているなんて文はないでしょう。the Ministry of Health, Labour and Welfareというのは、「厚生労働省」という意味です。大文字で固有名詞として書かれていることから、これを1つ(単数)の名詞(句)としても差し支えありません。

 

となると、taking~が「動名詞」である可能性も消えたので、「分詞構文」として訳しましょう。分詞構文の訳は様々ですが、慣れないうちは「~して」と訳せばとりあえずはOKです。take a look at~で「~をみる」なので、taking a closer look at Japanは「日本をもっとよく見て(みると)」くらいに訳しておくといいでしょう。

 

さてhas been analyzingをVとしたわけですから、「何を?」分析するのか聞いて、その後ろにあるsurvey data~が目的語Oです。あとは前置詞のカタマリをくくって、順番に処理すれば訳は完成です。

 

ここまでで、構造と訳は以下のようになります。

 

 

★名詞構文について知っておこう

先ほど、take a look at~で「~をみる」と言いましたが、「これ別にlook atでよくね?」って感じしませんか?take a look atだと、lookという動詞がa lookという名詞になっていますね。このような、動詞が名詞として文中に組み込まれるものを、名詞構文と言います。

 

厳密には違うのですが、これって日本語の感覚にも似たようなものがあるんです。

 

例えば、「使う」という動詞がありますね。これをもうちょっとだけ固い言い方で、別の表現をしてと言われたら、「使用する」っていう表現が浮かびませんか?「使う」という動詞だけの表現が、「使用(名詞)+する(動詞)」というように、名詞を使った表現に書き換わっていますねよね。これと同じようなことが、英語でも起こっているんです。例えば…

 

 

のように書き換えることができます。このように、いつもなら動詞だけで表現するところを、名詞として使うことで、文をよりフォーマルなものにすることができるのが、分詞構文なのです。

問題➂

【解説】

文頭に名詞peopleが見えたので、まあこれが主語Sになるだろうという予測のもと、後ろに動詞を探しに行きます。途中でseekingが見えますが、これは動詞にはなりませんよ。先にも述べた通り、動詞のing形は、「動名詞(名詞の働き)」「現在分詞(形容詞の働き)」「分詞構文(副詞の働き)」のどれかなので動詞Vにはなりません。手前にpeopleという名詞があるので、名詞を修飾する➡形容詞の働き➡現在分詞として処理しておきます。もうちょっと読み進めるとmay brushが見えるのでこれをV、brushは「歯を磨く・歯磨きをする」という動詞です。several times per dayは「1日に数回」という副詞句ですね。以上の内容から、解説と訳は以下のようにまとまります。

 

おわりに

形式目的語は find it 補語 to 不定詞 のような形でもよく出てきます。基本的には形式主語となにも変わりませんから、後ろにitの正体を探してみるという姿勢を身に付けてください。名詞構文は、まず日本語の感覚からアプローチしてみるといいでしょう。根拠を持った訳を常に心がけましょう!

【勉強法】英文解釈はどこまでやればいいのか。そもそもなんのためにやるのか。【英文解釈】

 

共通テストに変わってからの、受験生の心境の変化

センター試験から共通テストに変わり、文法問題がすべて廃止され長文問題になったことで、以前よりも英文法の学習がおろそかになる傾向にあります。私が大学生の頃に勤めていた塾では、アルバイトの大学生講師の中で、「共通テストで文法問題は出ないから、文法の勉強はいらない」と、生徒に主張する人がいたくらいです。

こうした意識が生徒に、そして一部講師・先生の中ですら存在するせいか、英文法の学習の延長にある、英文解釈が軽視されているように感じます。というのも、「『品詞』や『文型』を軸に、英文法の知識を使って英文の言わんとすることを読み解こう」という考えがすこしずつ薄くなり、「英語を英語で理解しよう」とか、「なんとなく意味が取れていればいい」「単語さえわかればいける」のような考え方が蔓延しつつあるのです。

でもね、私はなんなら、共通テストの方が英文法や英文解釈の勉強が生きると考えているんです。

 

英文解釈の目的とゴール

目的

英文解釈はその名をみてもわかる通り、「英文が言っていることを正しく解釈(理解)すること」が目的です。言ってしまえばこれだけなのですが、いまいちピンとこない人もいるでしょう。「いや単語分かればいけるやろ」って人も多いでしょうからね。こんな例文を見てみましょう。訳を考えてみてくださいね。

 

He made a mistake in his report secret.

 

この英文は、予備校講師の富田一彦先生という方が、正しい英文解釈の必要性について話すときによく使うものです。大学生時代にこの英文に出会い、よく英語が苦手だという生徒に和訳させてみました。それで大体の子たちは、こんな風に訳すんです。

 



こんなふうに訳をつくった人も多かったのでは?気持ちはわかりますよ。例えばね、make a mistakeの形が見えたら、「間違い(ミス)をする」って熟語が浮かぶ人が多いし、in his report secretも、まあ何となく「秘密のレポート」かなってなりますよね。

 

ここで重要なのは、in his report secretの部分です。「秘密レポート」なんて訳は絶対に無理なんですよ。だってそれなら、「in his secret report」という語順になるべきじゃないですか?例えば「面白い話」は「interesting story」であって、「story interesting」とは書かないですよね。

 

それでは正しく読み取るとどうなるのでしょう。

 

in his report secretは前置詞inを含んでいますね。前置詞というのは名詞とセットになってカタマリをつくるという性質があります(名詞の(ことば)で前置詞です)。名詞というのは、「~は」「~が」「~を」の「~」に当てはまる言葉です。report「レポート」なら、「レポートは」「レポートが」「レポートを」と自然に当てはまりますから、inのカタマリを()でくくると、

 

(in his report) secret

 

のように、secret「秘密の」という形容詞(名詞を詳しくする言葉)が余ってしまいます。

 

文型の話を軽くすると、Heが主語S、madeがVですね。これだけだと「何を?」madeしたのかわからないので、後ろにある名詞mistakeを目的語Oにします。そして、形容詞secretが余っているので、補語Cとして処理しましょう。補語Cになれるのは、形容詞か名詞だけなので、secretを補語とすることには何の問題もありません。

 

※ここらへんの「品詞」や「文型」についての内容は、以下の記事を見ると、簡単に理解できるので、まだ怪しい人は見ておくといいでしょう。

 

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さて、ここまでの内容を総合すると‥

のように、文構造を分析できます。第五文型であるSVOCの形をとると、基本的に訳は「OをCにする」になります。よって、本当の訳は…

 

He made a mistake in his report secret.  彼は、彼のレポートの中のミスを秘密にした

 

となるんです!当初考えていたものとは、だいぶ内容が変わりましたね!もう一度だけ英文を見てください。特に高校生以上の方は、知らない単語なんて1つもなかったのではないでしょうか。それなのに、英文が正しく読めないときがあるのです。知らない単語が出てきたらなおさらでしょう。

 

このように、単語を知っているだけでは、正しく英文を理解することができません。1つ1つの英文としっかり向き合い、書き手のメッセージを正しく解釈すること、それが英文解釈の目的なのです。

 

英文解釈のゴール

「英文解釈はどこまでやればいいのか」。英文解釈の目的について以上に、聞かれることの多い質問です。まあ志望校のレベルによって、その「どこまで」は変わるのですが、どのレベルの人にも共通して持ってほしい意識があります。

 

英文解釈はそろばんに似ている

私が示す英文解釈のゴールとは、「自分が読むべき英文に対して『エア英文解釈』ができる状態」です。「エア英文解釈」というのは、本文に特に書きこんだりしなくても、頭の中で文構造が瞬時に浮かぶような状態です。

 

なんかこの状態、そろばんに似ているなって思うんです。というのも、そろばんがめっちゃできる人って、もうそろばん本体なくても、まるでそこにそろばんがあるかのように、指を動かして計算しますよね。まさにあれです。あれをやってほしいんです。

 

英文解釈の参考書を進めるときには、おそらく本文にSVOCやその他の記号などを書き込んで、文構造を視覚的に把握する訓練を行うことになります。方法のやり方に微々たる差はあれど、基本的にはこのようにして学習を進めていくのです。これをいつしか、もう書き込まなくても、文構造がみえる!という状態になってほしいんです。

 

最近の大学入試英語、特に共通テストは、時間の制約がめっっっっっっっっっっちゃ厳しいんですよ。センター試験の時代に比べて、時間が足りない!という人が何倍にも増えています。実際、最後まで解き終わらない人が、たとえ上位層であっても続出しているんです。そんな、厳しい時間の制約の中で、全部の英文に書き込んでいたら時間がいくらあっても足りません。よほど難しい文でない限りは、頭の中で解決する必要があります。

 

参考書は何周もしなさい!

英文解釈の参考書を使って、最終的なゴールを設定するなら、やはり載っている英文を全て「エア英文解釈」できる状態にすることです。別に一度見たことある文でいいんです。その参考書が示す正しい方法で、「エア英文解釈」ができるまで、なんどでも集会して下さい。数周する程度ではまず身につきません。なんどもなんども同じ英文と向き合って、力をつけることを心がけてください。

 

おわりに

「英語を英語で理解しよう」「なんとなく意味が取れていればいい」「単語さえわかればいける」のような考え方では、正しく英文は読み取れません。正しい英文解釈、そして「エア英文解釈」こそ、われわれ第二言語学習者が目指す所なのです。

 

【共通テストで英文解釈➄】受け身は「される」で覚えるな!/so...that~構文に暗記はいらない!

 

はじめに

【共通テストで英文解釈】第5弾!今回は2023年度共通テスト追試第6問Aからの出題です。

これまでの記事は以下からどうぞ!

※当シリーズにおける学習の進め方は、第1弾(以下のリンク)に示してあるので、ぜひご参照ください。

 

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問題編:【共通テストで英文解釈➄】問題編.pdf - Google ドライブ

解説編:【共通テストで英文解釈➄】解説編.pdf - Google ドライブ

 

問題➀

 

【解説】

前半は結構簡単なので簡潔に行きましょう。Science ficitionがS、sometimesは「時々」という副詞なので無視して、後ろにあるdescribes「述べる/表す」がVです。当然「何を?」describeするのかと尋ね、後ろにある名詞aliens「エイリアン」をOとします。

前回【共通テストで英文解釈➃】でも説明しましたが、「V A as B」の形になると、「AをBとみなす/思う/いう」などの意味を取ります

 

ここまでで1つの節が終わって、次に等位接続詞soが来たので、接続詞を挟んでまたこの後にも節が来ると思って読み進めます

 

soのうしろにはthis animal group "cepharapods"とあるので、節であろう部分の初めに名詞のカタマリが来たわけですから、これをSだと思ってうしろに動詞を探しましょう。すると、コンマがきてwhich means "head-feet"とあって、それが終わってようやくmay be…と続くので、来てほしい予測がコンマに挟まれた部分によって分断されたということを根拠に、whichのカタマリを挿入として処理します。まあコンマwhichの形から、関係代名詞の非制限用法なのは見抜きやすいですが、正直文の骨組みにはならないくらいのものなので、読み飛ばしても文意はとれるでしょう。整理すると、この後のmay be perceivedがVで、そのSがthis animal group "cepharapods"ですね。前置詞のカタマリは()でくくって、構造と訳は以下のようになります。

 

 

さてここで、もう訳はできると思うのですが、せっかくの機会なので、may be percievedを例に、「受け身」について話そうと思います。

 

受け身は「される」「られる」で覚えるな!

たしかに受け身は「される」「られる」の訳になるのですが、それは受け身(受動態)という文法を使った「結果」にすぎません。もっと本質的なことを理解しなければなりません。それは…

 

受け身(受動態)➡能動態の文の目的語を主語にしたもの

 

です!人によっては小難しくも聞こえるでしょうから、例を出しましょう。

 

 

これをhis roomを主語にして受け身の文にすると…

 

 

のように、元の文の目的語Oを主語Sの位置に持ってきて文を作ったので、文型だけ見ると、能動態SVOから、受動態SVに、目的語が1つ減っています。ここがすっごく大事なんです。



本文でここを気にしてほしい!

本文に戻って、may be percieveについて見ていきます。受け身について理解するために、挿入の部分はカットした以下の文で考えてみましょう。

 

 

受け身を見つけたときは、できれば元の文(能動態)の文を想像してほしいんです。今回はthis animal group “cephalopods”がS、may be perceivedがVの受け身の文です。

受け身(受動態)は能動態の文の目的語を主語にしたものなのです。percieveするのはおそらく人間や人々でしょうから、元の文はこんな風に想像できます。

 

 

受け身の時はSVだった文が、能動態になるとSVOに戻りました。さて、この文に直すと、さっきも出てきた「V A as B」の形が見えます。「V A as B」の形になると、「AをBとみなす/思う/いう」などの意味を取るんでしたね。

 

 

語法が見えたら、単語の意味は推測できます。例えばperceiveをしらなくても、「AをBとみなす/思う/いう」あたりで訳しておけば良いということです。

 

このように、文法において大切なのは、その訳ではなくて、仕組みやシステムです。受け身の文が出たら、元の文を想像できるくらいの余裕を持っておけば、これくらい楽に語の推測ができるのです。

                

問題➁

 

【解説】

文頭に接続詞whenがあるので、この後には普通節(主語S+動詞Vがあるカタマリ)がくるはずなのに、takenという過去分詞とfromが導く前置詞のカタマリがあるだけで、節がありません。これは「WhenやWhileのあとのS+be動詞は省略OK」というルールがあるからです。なおこれは、主節と主語が一致している場合に発動します。例えば…

 

*1

 

例えば「運転中はシートベルトをしなければならない」なら…

 

のように表現できます。whileの節と、後ろの主節の主語が同じyouなので、書かなくてもわかるから、省略OKというわけですね。同じ現象が本文でも起こって、When taken from their natural habitat となっていたわけです。うしろの節の主語はoctopusesですから、おそらくもともとは、When octopuses are taken from their natural habitatだったのでしょう。訳は、「タコが自然の生息地から連れ去られた場合」ですね。 

 

octopuses can be mischievousについては、octopusesがS、can beがV、mischievousがCです。mischievousは「いたずら好きな、やんちゃな」という意味の形容詞です。あまり単語帳には載らない語なので、覚えていなくてもOKです。

 

さて、このあと等位接続詞soの後にwatch out「注意する」という動詞が来ます。soからのカタマリに主語がないこと、そしてwatch outが動詞の原形であることを根拠に、ここは命令文だと考えましょう。

 

以上の内容から、解説と訳は以下のようになります。

 

問題➂

 

【解説】

まずは、Godfrey-Smith was so impressed by the behavior he witnessedから。

Godfrey-SmithがS、wasがVで、so impressedがCです。be impressedで「感動する」という意味になります。ちなみに、感情の動詞が受け身を取ることについては、以下の記事にまとめてありますので、ご参照ください。

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by the behavior he witnessedですが、witnessed「目撃する」の目的語が欠けているため、不完全文とみて、手前の名詞behaviorに対する関係代名詞のカタマリとして処理します。間違っても、後ろのthat節をwitnessedの目的語としてはいけません。witnessは目撃した「人」や「モノ」などを目的語にとり、that節は目的語にとれません。

 

さて、ここまででso impressedとあり、後ろにはthat節が続いていますから、これはso…that~構文です。文法書によっては、以下のように意味が記載されています。

 

結果:とても…なので、~だ。

程度:~ほど…だ

 

このような、so...that~構文というカタマリから離れて、もっと本質的な部分から、この構文を捉えてみましょう。

 

★so...that~構文に(本当は)暗記はいらない

この構文で1つだけ覚えてほしいのは、soの意味です。soは本当は「とても」ではなく、「それほど」という意味なんです!だから‥

 

 

となっているんです。となると、ここである質問をしなければいけません。そうですね。「どれくらい?」です。その質問に答えてくれるのが、後ろにあるthat節なのです。

 


heがS、startedがVなのはいいですね。「何を?」startするのかわかりませんから、後ろの目的語となる名詞が欲しいところです。そうすると、後ろにdevelopingとあるので、これを動名詞だと捉えて、developing philosophy theories based on his observations「彼の観察に基づいた哲学的理論を発達させること」を目的語としましょう。

 

先ほどのso...that~構文の内容を踏まえて、「彼が自身の観察に基づいた哲学的理論を発達させはじめるくらい、彼は感動した」と訳が決まります。

 

so...that~構文というのは、so「それくらい」さえ覚えれば、あとは「どれくらい?」と質問するだけでいいわけです。ちなみに、「どれくらい?」と質問しても答えが返ってこないときに、「とても」という訳を振り分けていると理解しておくと、soの処理は比較的楽かと思います。

 

以上の内容を踏まえ、解説と訳は以下のようになります。

 


おわりに

今回は、主に「受け身」とso...that~構文の理解について、訳だけを覚えていた人は、改めてそのシステムを理解しましょう。本質的な部分の理解は、あなたの暗記を間違いなく減らし、または手助けすることでしょう。

*1:※「WhenやWhileのあとのS+be動詞は省略OK」とは、正確には副詞節の接続詞全般に言えることです。whenやwhile以外にもthough, ifなどにも当てはまります。

【前置詞】暗記の前にイメージの理解から!もっと楽に前置詞を覚えよう!【英文法】

まずは品詞のチェックから

前置詞の話をする前に、品詞を確認しておきましょう。詳しくは以下の記事に書いてあるので、ちょっと怪しいなって人はまずそちらをご参照ください。もう品詞はわかるよ!という人は、がっつり読み飛ばしてOKです。

 

englishmate1031.hatenablog.com

 

 

それぞれの品詞には以上のような役割があったわけですね。さて、今回前置詞を学ぶにあたって必要なのは「名詞・形容詞・副詞」の知識です。説明の途中でこれらの品詞が何度も登場しますから、わからなくなったら上の表を参考にしましょう。

 

まず「前置詞」ってなんだ・・・?

名詞の(ことば)で前置詞と言います。前置詞にはかなりの数がありますが、代表的なものだと at/by/for/from/in/of/on/to/with/about/over/under/after/before などがあります。なお、この記事では、主要な前置詞であるat on in with for of from to に絞って説明をします。 さて、前置詞は名詞とセットで用いて、形容詞もしくは副詞のように働きます。 以下の2種類の例文を見てみましょう。 

 

 

➀では、「in the park」が「played」を詳しくしています。「(サッカーを)した」という行為 (動詞)に、場所の情報を付け加えているのです。動詞を詳しくしたわけですから、扱いとしては、副詞の働きをしていると判断できます。  
➁では、「in Japan 」が「people」を詳しくしていますね。「人々」という名詞に「日本の」 という情報を付け加えています。名詞を詳しくするのは形容詞でしたね。 

 

 

ところでin の意味を知っていますか?「~で」と訳す人が多いでしょう。atはどうですか?これも「~で」でしょうか?toならどうでしょう。「~に」でしょうか。実は、ここが前置詞の意味をとれなくしている根本的な原因なのです。 
多くの英語学習者は、1つの前置詞に対して1~2個の日本語の訳を当てはめて覚えています。しかしその覚え方では、小学校レベルの英文ですら通用しない場合があります。たとえば、次の例文はすべて「~に」と訳すことができます。

 

 

訳すこと自体はそれほど難しくはありませんが、「~に」を表現するときでも、これほど多くの前置詞が候補になるのです。つまり、「~に」と言いたいからtoを使おう!となってはいけないということです。そのため、コアとなるイメージを先に学び、そこから意味を派生させていく必要があります。次の章から、主要な前置詞たちのイメージを確認しましょう。

 

前置詞のイメージ

at

 

〇イメージ➡「点を指でさす」

 

atは1点を指さすようなイメージで使います。lookにatを

つけて、look at「~をみる」と表現するのは、1つのものをグッと見るようなイメージがあるからです。

 

〇場所の指さして…➡「~で」

atの「点を指でさす」イメージから、地図を開いて「ここ!」と指をさすような感じで使います。友達と待ち合わせの場所を決めるときに、二人で地図アプリを開いて「ここの駅にしよう!」という時には、at the stationと表現します。

 

 

 

〇時間を表すときに…➡「~で」

atの「点を指でさす」イメージから、「時計の針が時間を指す」というイメージへと発展し、時刻を表現するときに使えます。例えば、「午後六時半」を表現したいなら、at 6;30 p.mと書きます。 

 

in

〇イメージ➡広い空間の中

in はとりあえず「中」というイメージを大切にしてください。何か
大きなものに包みこまれているような感じです。

 

 

〇包囲「~の中に」 
ほぼ in のイメージそのままです。広い場所の中にいるときに使います。日本にいる人々をpeople in Japan と書くのは、日本というふうに国の単位で見てみてると、面積は相当大きなものであるからです。 


〇幅のある時間 
in のイメージは「広い空間の中」でしたね。これを「時間」という意味でとらえてみましょう。
in のイメージが時間にも広がって、in the morning(午前中に)、in summer(夏に)など、ざっくりした時間を表すのに使います。「午前中」は正午までと広く幅を持った時間であり、夏も7~9 月ごろまでのざっくり3カ月くらいを表す言葉です。だからinを使うのです。

 

on

〇イメージ➡接着・接触「~にくっついて」 



on はほとんどの人が「上」とならいますが、地球に重力があるからその訳になることが多いのであって、本来の意味は「くっついている状態」です。上でも下でも右でも左でも、くっついてさえいればonが使えます。 


〇場所や物への接触・接着 
on のイメージをそのまま使って、モノの位置を表してみましょう。以下の例文で確認します。

 

 

1つ目の例文は、ペンをテーブルに置いたのであれば、ペンは机に接触・接着しているはずですね。さらに2つ目の文では、壁に絵が貼り付けれられていますから、当然壁に接着されたことを表現するために、onを使うわけです。 

 

〇日付・曜日に使うon 


on の接触のイメージから、曜日や日付など、具体的な日時を表すときに使います。カレンダーを思い浮かべて、そこに書いてあるどこかの日付の上に、自分がくっついているようなイメージです。例えば、on August 14th(8月14日に)、on the morning of January 25th (1 月25日の朝に)のように使うことができます。

 

with

〇イメージ➡足し算する感じ「~をプラスして」 


with のイメージは「足し算」に近いものがあります。足すものは人かもしれないし、モノかもしれません。主語にwithのカタマリをプラスしてから意味を考えてみるようにしましょう。 


〇人をプラス➡「~と一緒に」 
行動に対して、withを使って人の情報をプラスすることで「~と一緒に」という表現ができます。例えば、I went shopping with my friend.のように使うことができます。

 

 

〇モノをプラス➡「~を使って」 
行動に対して、with を使ってモノ(多くの場合道具)をプラスすることで、「~を使って」という表現ができます。例えば、I cut an apple with this knife.のように使うことができます。 

 

 

〇理由や原因をプラス 



私(I)にgood newsが足された結果しあわせになったわけですから、with the good newsというカタマリは、happyになった「理由」や「原因」を表しています。

 

to

〇イメージ➡到着・到達「行き着く」 


 一番近いのは「矢印→」の感覚でしょう。toは「→」の方向に向かって、行き着く(到達する)という意味で使います。いくつか例文を見ながら確認しましょう。

 



 

 

for

〇イメージ➡到達はしないが、向かっていく感じ 


to の到達のイメージ図から、ゴールの部分が消えたものをイメージしましょう。あくまでもforは向かっていくところにフォーカスします。いくつか例文を見ながら確認しましょう。

 

 

 

【追加講義】「~にとって」を表す場合、toかforのどちらを使うべきか。 

「~にとって」を表現するとき、toかforの二通りがあり得ます。日本語訳は全く同じですが、若干意味に違いがあります。あまり区別がつかない場合もあるので、基本的には気にしなくてOKです。以下の例文で確認してみましょう。 
 
➀English is important to me. 
➁English is important for me. 
 
どちらも「英語は私にとって重要だ」という意味の文です。さて、意味の違いについてですが、➀では、toの「到達するイメージ」から、英語が自分に直接かかわる状況であることが想像されます。例えば、今仕事で海外の人と取引をするから英語を使わなければならないというような状況です。こうした場合、英語は自分(me)にとっては重要であり、直接かかわるものです。よってtoを使うわけです。 
一方➁では、forの「到達はしないけど向かっていくイメージ」から、英語は「今」自分に直接かかわりがあるわけではないようです。というのも、例えば、仕事で今は英語を使ってはいないけれど、英語をしゃべれるようになると、海外の人と取引ができるようになって、もっと上の役職につける、というような状況です。話している段階では、英語は直接自分に関わっていないので、到達しない方のforを使うのです。 

 

from

〇イメージ➡出発して離れていくイメージ 


 その場所を起点として、離れていくイメージを持っています。よく「~から」と訳すのはそうしたイメージが理由です。また、fromは、離れる前の場所と何らかのつながりがあります。

例えば、I’m from Hokkaido.「私は北海道出身です」といえば、例え東京に行っても沖縄に行っても、「北海道の人間なんだ!」ということには変わり有りません。東京に言った途端に東京出身にはなりませんからね。それでは、例文で確認してみましょう。 

 

〇基本的には「~から」で訳しておこう 


北海道にいないときに、つまり北海道から離れているときにする会話ですね。北海道を出発して離れて、どこか違うところに今はいるわけですから、fromを使うわけです。

 

9時を起点(スタート)、fiveを到達点(ゴール)として、「~から…まで」を表します。 

 

of

〇イメージ➡切り取り 


全体から一部を切り取るときに使います。切り取って取り出すところまで考えてもいいでしょう。基本的には、「~の」で訳すとうまくいきますが、たまにそうではない場合がありますから注意してください。以下の例文で確認しましょう。 


〇切り取り⇒分離「~離れて」 


be made of で「~から作られている」という意味です。木から作られたということは、木の一部切り取って机の形に加工しているわけですから、木を切り離して分離させているのでofを使います。

 
〇切り取り⇒もとをたどっていくと…所有・所属の意味へ 
よく学校で習う「~の」を表すofはこちらの意味で使われています。切り取ったものの元をたどっていくと、その切り取られたものが、どこから生まれてきたものなのか、つまりそれを所有していたものがわかりますね。このように「所有」の意味を持つようになりました。例えばI am a member of the team.「私はそのチームのメンバーです」という文なら、そのチームはメンバーである私を所有しているはずです。だからofを使います。

 

〇切り取り⇒「~の中で」 
また、ofは最上級を使う際にもよく見られます。例えば、

 

 

という文が挙げられます。彼は、クラスメイトというカタマリから1人だけ切り離されて、「一番背が高い」といわれています。言うまでもなく、彼はクラスメイトの一部なわけですから、クラスに所属していることを表すべく、ofを使います。

 

イメージは暗記の手助けに

英語を学ぶ上で、「暗記」を0にすることは不可能です。結局、言語の習得というのは、概ね暗記に依存します。ただ、その「暗記」の前に、もっと本質的な部分の「理解」があれば、今後の暗記ははるかに楽になることでしょう。

 

 

【英検対策】英検準2級・2級にほぼ確実に受かる勉強法!「英検の対策」は後回しでいい!

 

英検の対策は、「英検の対策を後回しにすること」

はい。めっちゃあやしい見出しですね。でもね、これ結構正解なんですよ。

というのも、個別指導塾で指導をしていると、生徒が「テキスト(参考書)は用意したから英検の対策授業をしてほしい」と持ち掛けてくるときがあります。そういう生徒が良く持ってきてくれるのは、過去問か英検○○級総合対策教本みたいなやつです。でも英語が苦手で、英検の合格が怪しいという生徒にとっては、最初のうちはこれらのテキストは、ときとして毒になってしまいます。

 

「英検の対策」は「高校英語がざっくり終わった」そのあとで!

英検準2級、2級のレベルについて、英検公式によれば、前者は高校中級程度、後者は高校卒業程度となっています。まあつまりですね、「高校の英語がわかれば英検は余裕」ってことです。

 

というわけで、英検のもっとも合理的な対策は、「高校英語をちゃんと勉強する」ことです。いや分かりますよ。当たり前だろって言いたいんでしょ。でもね、これを全然やってくれないんですよ生徒は。だって英検の対策しようってなったら、まず英検の参考書のコーナー行くでしょ。もちろんいきなりそうしていい人もたくさんいますよ。でもね、それはあくまでも高校英語の基礎がわかっている人間です。

 

英検の対策は高校英語からです!

 

具体的になにをやればいいのか

ということで、言うまでもなく高校英語から始めることになります。ここからは高校英語学習フェーズと、英検対策フェーズに分けて説明します。目安としてですが、高校英語学習フェーズは、普段の定期テストで75点以上くらい、または評定が5段階中4以上を安定して取っている人は、すぐに英検対策フェーズに入っていいです。それ未満の人は、まずは高校英語フェーズからです!

 

高校英語学習フェーズ

ここでの目標は、

 



この2つです。

➀については、基本的な文法と単語を知識としてインプットする、➁については、網羅的に英文法を学び、英検の問題を解いていて初めて目にする文法的な知識がほぼない状態を目指します。

 

文法の勉強法

文法の参考書使うか、総合英語を使って勉強するかの二通りになりますが、個人的には圧倒的に総合英語がおすすめなので、これについて説明します。

 

総合英語というは、高校に行くと配られるあの分厚い英分法の本です。UltimateとかForestとかbeとかね。あれと、付属している例文集を使って進めるやり方です。

 

やり方

・まず総合英語と例文集を用意!

⇒高校生(もしくは高校生だった)皆さんは、学校から分厚い英文法書を配られませんでしたか?代表的なものでいうと、『Vision Quest 総合英語Ultimate』や『Forest』『be』などですね。たくさん種類があるのですが、別になんでも大丈夫です。それで、その文法書にほぼ必ずと言っていいほど、例文集という薄い冊子があるんです。それを使います。

 

・教材は基本的に例文集のみ

⇒基本的に例文集は左ページに英文、右ページに和訳の構成で、単元別に例文が載っています(逆の場合もあるようですが)。そこに載っている例文を英語から日本語に、順番に訳していってください。訳せたものにはチェックをつけましょう。これを数周して、すべての例文にチェックが付いたら、それだけで文法そのものの勉強は終わりとなります。

 

・わからない文法(例文)に出会ったら、文法書を開け!

⇒総合英語というのは、いわゆる文法の辞書です。わからない単語に出会ったら辞書を引くのと同じで、例文を訳していく過程で、「なんでこんな訳になるんだ?」「この文法単元よくわからないなあ」のような状態になったら、すぐに該当のページを開いて読んでみましょう。

 

上記のやり方で、何度も例文集の英文を訳してみてください。おすすめの総合英語を以下に掲載しておきます。私のおすすめは・Vision Quest総合英語Ultimate2nd Edit です。他にも、総合英語で、かつ例文集がついていれば基本的になんでもOKです。説明の仕方や網羅性に違いはあれど、大きな差はありません。

 

こちらもおすすめ⇓

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感想(0件)

詳しい話は以下の記事に記載しています!ぜひご参照ください。

englishmate1031.hatenablog.com

 

この勉強法のメリットは、「網羅性」と「効率」です。

前者については、総合英語に載っているほぼすべての英文を日本語に訳す作業をするわけですから、まんべんなく文法を履修できます。後者については、他に比べてやってることが「訳すだけ」というかなりシンプルな作業などで、1つの単元に当てる時間がかなり少なくて済みます。この後に「英検の対策」をする以上は、これくらい効率が良いのが理想的です。

 

単語の勉強法

※ターゲット1400or1900レベルの単語帳ならなんでもいいです。

 

心構え

まず、単語帳を2~3周した程度で、英単語が覚えられるとか、そういう思考は捨ててください。単語帳は何周も、何十週もして身につけていくものです。覚えられなくても、「まあ次覚えればいいか」の精神で進めてください。

 

大まかな流れ

〇1周目

わかる単語とわからない単語の仕分け作業をしていきます。英単語帳には、見出し語の隣に▢のような四角形のチェックボックスがあるので、分かった単語には、☑のようにチェックをしましょう。何度も言いますが、覚えようと思わないことが肝です。

 

〇2週目以降

まだチェックがついていない単語だけをみて、1周目と同じことをします。わかったらチェックをつけて、そうでなければ意味を確認してスルーです。すべての単語にチェックが付けば、それで終わりです。

 

これだけです。結構簡単じゃないですか?私は普段自分の生徒に、特に4月から担当した受験生には、6月終わるまでこのやり方続けて、8割くらい覚えるのを目標にするように伝えるのですが、面白いくらいに覚えてくれます。

 

1単語にかける時間は多くても10秒以内にしてください。数秒考えてもわからない単語は、すぐに意味を確認して、次に進んでください。覚えてなくてもいいんですよ。次見たときに覚えれば。

何周もしていくうちに、見なきゃいけない単語はどんどん減っていきます。最後の方なんて1周するのに30分くらいしかかからないこともあります。

 

詳しい内容は以下の記事に記載しています。ぜひご参照ください!

englishmate1031.hatenablog.com

 

英検対策用の基礎は、上記で挙げた「文法」と「単語」の勉強で十分です。1か月もあれば十分すぎるくらいの分量でしょう。

 

英検対策フェーズ

お待たせしました。ここから英検対策フェーズについて話します。

ずばりやることは一つだけ!「過去問を解いて解いて解きまくる」です!死ぬほど解いて死ぬほど復習してください。正直これだけです笑。

 

リーディングパート

▶語彙は単語帳にのっている単語だけ覚えれば十分です。仮に乗っていない単語が出てきたら、余力があれば覚えた方がいいですが、時間がない人はガン無視でいいです。ただ、これしらんなと思った単語が、もしお持ちの単語帳にあったなら、それは手ってして覚えましょう。

 

長文パートについて、復習方法は以下の記事に示す通りに、苦手を分析してみてください。

 

リスニングパート

▶もう腐るほどリスニング勉強法の記事が世の中にはあふれているので、ディクテーションなりシャドーイングなり、好きな勉強法に取り組んでみて下さい。調べれば無限に出てきますから、参考にしつつ自分に合うものを探しましょう。そして、そういう、ディクテーションとかシャドーイングがどうも合わないなって人は、以下の記事のやり方を取り入れてみるといいでしょう。

 

ちなみに下記の記事は半分くらいタイトル詐欺です(笑)。でもちゃんと有用なやり方ですよ!

englishmate1031.hatenablog.com

 

高校英語の学習は、長い目で見てめっちゃ近道

中には、「いやとっとと英検の勉強させろよ」と感じた人もいるかもしれませんが、多くの人の最終ゴールは英検ではなく、大学入試のはずです。結局高校英語の勉強を、どこかで網羅的・体系的にやることになるんですよ。英検はその前座にすぎません。最近はおそくても高校二年生までに英検2級程度を目指す子がかなり増えたので、そうした子たちにはまずは高校英語を徹底することをお勧めします。そこで得た知識は、必ず共通テストで、そのほかの大学の試験で役に立つことでしょう。