レクシプローラの英語放浪ブログ

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【共通テストで英文解釈➄】受け身は「される」で覚えるな!/so...that~構文に暗記はいらない!

 

はじめに

【共通テストで英文解釈】第5弾!今回は2023年度共通テスト追試第6問Aからの出題です。

これまでの記事は以下からどうぞ!

※当シリーズにおける学習の進め方は、第1弾(以下のリンク)に示してあるので、ぜひご参照ください。

 

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問題編:【共通テストで英文解釈➄】問題編.pdf - Google ドライブ

解説編:【共通テストで英文解釈➄】解説編.pdf - Google ドライブ

 

問題➀

 

【解説】

前半は結構簡単なので簡潔に行きましょう。Science ficitionがS、sometimesは「時々」という副詞なので無視して、後ろにあるdescribes「述べる/表す」がVです。当然「何を?」describeするのかと尋ね、後ろにある名詞aliens「エイリアン」をOとします。

前回【共通テストで英文解釈➃】でも説明しましたが、「V A as B」の形になると、「AをBとみなす/思う/いう」などの意味を取ります

 

ここまでで1つの節が終わって、次に等位接続詞soが来たので、接続詞を挟んでまたこの後にも節が来ると思って読み進めます

 

soのうしろにはthis animal group "cepharapods"とあるので、節であろう部分の初めに名詞のカタマリが来たわけですから、これをSだと思ってうしろに動詞を探しましょう。すると、コンマがきてwhich means "head-feet"とあって、それが終わってようやくmay be…と続くので、来てほしい予測がコンマに挟まれた部分によって分断されたということを根拠に、whichのカタマリを挿入として処理します。まあコンマwhichの形から、関係代名詞の非制限用法なのは見抜きやすいですが、正直文の骨組みにはならないくらいのものなので、読み飛ばしても文意はとれるでしょう。整理すると、この後のmay be perceivedがVで、そのSがthis animal group "cepharapods"ですね。前置詞のカタマリは()でくくって、構造と訳は以下のようになります。

 

 

さてここで、もう訳はできると思うのですが、せっかくの機会なので、may be percievedを例に、「受け身」について話そうと思います。

 

受け身は「される」「られる」で覚えるな!

たしかに受け身は「される」「られる」の訳になるのですが、それは受け身(受動態)という文法を使った「結果」にすぎません。もっと本質的なことを理解しなければなりません。それは…

 

受け身(受動態)➡能動態の文の目的語を主語にしたもの

 

です!人によっては小難しくも聞こえるでしょうから、例を出しましょう。

 

 

これをhis roomを主語にして受け身の文にすると…

 

 

のように、元の文の目的語Oを主語Sの位置に持ってきて文を作ったので、文型だけ見ると、能動態SVOから、受動態SVに、目的語が1つ減っています。ここがすっごく大事なんです。



本文でここを気にしてほしい!

本文に戻って、may be percieveについて見ていきます。受け身について理解するために、挿入の部分はカットした以下の文で考えてみましょう。

 

 

受け身を見つけたときは、できれば元の文(能動態)の文を想像してほしいんです。今回はthis animal group “cephalopods”がS、may be perceivedがVの受け身の文です。

受け身(受動態)は能動態の文の目的語を主語にしたものなのです。percieveするのはおそらく人間や人々でしょうから、元の文はこんな風に想像できます。

 

 

受け身の時はSVだった文が、能動態になるとSVOに戻りました。さて、この文に直すと、さっきも出てきた「V A as B」の形が見えます。「V A as B」の形になると、「AをBとみなす/思う/いう」などの意味を取るんでしたね。

 

 

語法が見えたら、単語の意味は推測できます。例えばperceiveをしらなくても、「AをBとみなす/思う/いう」あたりで訳しておけば良いということです。

 

このように、文法において大切なのは、その訳ではなくて、仕組みやシステムです。受け身の文が出たら、元の文を想像できるくらいの余裕を持っておけば、これくらい楽に語の推測ができるのです。

                

問題➁

 

【解説】

文頭に接続詞whenがあるので、この後には普通節(主語S+動詞Vがあるカタマリ)がくるはずなのに、takenという過去分詞とfromが導く前置詞のカタマリがあるだけで、節がありません。これは「WhenやWhileのあとのS+be動詞は省略OK」というルールがあるからです。なおこれは、主節と主語が一致している場合に発動します。例えば…

 

*1

 

例えば「運転中はシートベルトをしなければならない」なら…

 

のように表現できます。whileの節と、後ろの主節の主語が同じyouなので、書かなくてもわかるから、省略OKというわけですね。同じ現象が本文でも起こって、When taken from their natural habitat となっていたわけです。うしろの節の主語はoctopusesですから、おそらくもともとは、When octopuses are taken from their natural habitatだったのでしょう。訳は、「タコが自然の生息地から連れ去られた場合」ですね。 

 

octopuses can be mischievousについては、octopusesがS、can beがV、mischievousがCです。mischievousは「いたずら好きな、やんちゃな」という意味の形容詞です。あまり単語帳には載らない語なので、覚えていなくてもOKです。

 

さて、このあと等位接続詞soの後にwatch out「注意する」という動詞が来ます。soからのカタマリに主語がないこと、そしてwatch outが動詞の原形であることを根拠に、ここは命令文だと考えましょう。

 

以上の内容から、解説と訳は以下のようになります。

 

問題➂

 

【解説】

まずは、Godfrey-Smith was so impressed by the behavior he witnessedから。

Godfrey-SmithがS、wasがVで、so impressedがCです。be impressedで「感動する」という意味になります。ちなみに、感情の動詞が受け身を取ることについては、以下の記事にまとめてありますので、ご参照ください。

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by the behavior he witnessedですが、witnessed「目撃する」の目的語が欠けているため、不完全文とみて、手前の名詞behaviorに対する関係代名詞のカタマリとして処理します。間違っても、後ろのthat節をwitnessedの目的語としてはいけません。witnessは目撃した「人」や「モノ」などを目的語にとり、that節は目的語にとれません。

 

さて、ここまででso impressedとあり、後ろにはthat節が続いていますから、これはso…that~構文です。文法書によっては、以下のように意味が記載されています。

 

結果:とても…なので、~だ。

程度:~ほど…だ

 

このような、so...that~構文というカタマリから離れて、もっと本質的な部分から、この構文を捉えてみましょう。

 

★so...that~構文に(本当は)暗記はいらない

この構文で1つだけ覚えてほしいのは、soの意味です。soは本当は「とても」ではなく、「それほど」という意味なんです!だから‥

 

 

となっているんです。となると、ここである質問をしなければいけません。そうですね。「どれくらい?」です。その質問に答えてくれるのが、後ろにあるthat節なのです。

 


heがS、startedがVなのはいいですね。「何を?」startするのかわかりませんから、後ろの目的語となる名詞が欲しいところです。そうすると、後ろにdevelopingとあるので、これを動名詞だと捉えて、developing philosophy theories based on his observations「彼の観察に基づいた哲学的理論を発達させること」を目的語としましょう。

 

先ほどのso...that~構文の内容を踏まえて、「彼が自身の観察に基づいた哲学的理論を発達させはじめるくらい、彼は感動した」と訳が決まります。

 

so...that~構文というのは、so「それくらい」さえ覚えれば、あとは「どれくらい?」と質問するだけでいいわけです。ちなみに、「どれくらい?」と質問しても答えが返ってこないときに、「とても」という訳を振り分けていると理解しておくと、soの処理は比較的楽かと思います。

 

以上の内容を踏まえ、解説と訳は以下のようになります。

 


おわりに

今回は、主に「受け身」とso...that~構文の理解について、訳だけを覚えていた人は、改めてそのシステムを理解しましょう。本質的な部分の理解は、あなたの暗記を間違いなく減らし、または手助けすることでしょう。

*1:※「WhenやWhileのあとのS+be動詞は省略OK」とは、正確には副詞節の接続詞全般に言えることです。whenやwhile以外にもthough, ifなどにも当てはまります。