レクシプローラの英語放浪ブログ

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【共通テストで英文解釈②】何となくではなくて、根拠を持った訳をしよう!不完全文と完全文、ingの可能性について。

 

はじめに

【共通テストで英文解釈】第2弾!今回は2022年度共通テスト第5問からの出題です。

第1弾は以下のリンクからどうぞ!

※当シリーズにおける学習の進め方は、第1弾(以下のリンク)に示してあるので、ぜひご参照ください。

englishmate1031.hatenablog.com

 

問題編 【共通テストで英文解釈②】問題編.pdf - Google ドライブ

解説編 【共通テストで英文解釈②】解説編.pdf - Google ドライブ

 

問題①

 

【解説】

文頭に名詞His familyがあるのでこれをS、直後に来たdid not haveをVとします。haveだけだと「何を?」と聞けてしまうので、目的語が欲しいわけですから、後ろの名詞electricityがOですね。untilは接続詞で「~までずっと」という意味です。また、andは「同じものをつなぐ」等位接続詞です。後ろにはhe was excitedと節があるので、前にある主節His family did not have~をつないだと考えましょう。to find a generatorについてですが、excited「わくわくした」のはなぜかという説明になっています。形容詞excitedを修飾できるのは副詞だけなので、to findのカタマリは、to 不定詞の副詞的用法で、訳は「~して」が適当です。ここまでで、訳の方針は「彼は電気を持っていなくて、発電機を見つけてわくわくした」とざっくり決まります。

 

ここから細かいポイントについて話しますね。まずHis family did not have electricity until he was 12 years oldについてですが、直訳すると「彼の家族は、彼が12歳になるまでずっと電気を持っていなかった」となります。12歳になるまでなかったということは、12歳になってからは電気があったと言い換えられますから、「彼の家族は、彼が12歳になって初めて電気を持った」と訳すこともでき、こちらの方が自然な感じがしますね。よく熟語や構文として、not~until…「…して初めて~する」というのがありますが、別に暗記しなくても、直訳から十分に導き出せます

 

次にダッシュ「―」という記号に挟まれた部分の役割について考えます。

と書いてありますね。a generatorというのは発電機という意味なのですが、後ろには「電気を生み出す機会」とあります。言葉は違えど、まったく同じことが書いてありますね。ここの役割は、a generatorという名詞がどんなものかを、ダッシュ「―」に挟まれた部分が詳しく説明しています。こういった、後ろの名詞(名詞句)が、手前の名詞(名詞句)を説明することを、「同格」の表現と言います。詳しいことはここでは割愛するので、お手元の文法書でチェックしてみてください。

 

when以降は別に難しくもなんともないので、ここまでの内容をまとめて、解説と訳は以下の通りです。

 

 

問題②

 

【解説】

be interested in Aで「Aに興味がある」が見えますね。その先にあるandは、後ろにelectrical「電気の」という形容詞が見えるので、手前にも探すとmechanical「機械の」という形容詞がありますから、「同じものをつなぐ」andはこの2つをつないだのでしょう。ここまでで、「彼は機械や電気の技術にとても興味を持っていた」と訳が決まります。

 

問題は後ろのreadingですね。多くの人は「コンマの後ろにingがあるから分詞構文だな」と考えるかもしれませんが、それだけだと根拠が弱いです。普通に、コンマが無い分詞構文もたくさんあるので。

 

ingを見た段階で、それが動名詞(名詞の役割)」「現在分詞(形容詞の役割)」「分詞構文(副詞の役割)」のいずれかである、3つの可能性があります。それぞれ考えてみましょう。

 

動名詞(名詞の役割)

⇒名詞は英文の中で、主語S・目的語O・補語C、または前置詞の後ろに来ること以外には、基本的に役割がありません。S・O・Cは、コンマの前ですべて文型が終わっているので入れられる余地がないし、readingの前に前置詞があるわけでもないので、動名詞はなさそうです。

 

現在分詞(形容詞の役割)

reading any information he could find in the subjectという2語以上のカタマリになっています。もし現在分詞であるなら、2語以上の時は、修飾したい名詞の後ろに置くルールがあるので、手前に修飾できそうな名詞があるべきです。それもないので、現在分詞はなさそうですね。

 

よって残った分詞構文で処理しましょう。訳の候補はたくさんありますが、「~して」でとりあえず訳すとOKです。

 

このあたりの内容は以下の記事を参照すると良いでしょう。

englishmate1031.hatenablog.com

englishmate1031.hatenablog.com

 

reading any information he could find in the subjectの部分についてもう少し詳しく。

information の後ろにhe could findとあります。findの目的語が無いので、これは英文の必要な要素が欠けてしまっている文、いわゆる「不完全文」です。よって、関係代名詞が省略されていると考えて、

reading any information (that) he could find in the subjectととらえ、he以降がinformationの説明となります。

関係代名詞が導くカタマリ(節)は、必ず文の必要な要素(主語S、目的語O、前置詞の後ろに来るはずだった名詞のいずれか)が欠けています。そのため、不完全文を見たら、関係代名詞かもと思っておきましょう。

 

以上の内容から、解説と訳は以下のようになります。

 

問題③

 

【解説】

文の冒頭に見えるhowever, in the final roundは「しかし、最後のラウンドで」と、文型にはかかわってこないカタマリ(副詞・副詞句)なので、無視して、この後に来るであろう節をみとります。

 

するとthe teacherという名詞があるので、これを主語Sにして、この後には動詞Vが来ると思いながら読み進めます。hadという動詞が見えますが、これは関係代名詞whoが導くカタマリの一部ですから、本命のVではありません。もっと読み進めると、gaveがでるので、これならVにできそうです。ここまでで、the teacher~がS、gaveがVですね。gaveだけだと「何を?」与えるのかわからないので、後ろにある名詞evidenceがOです

 

この後にthatがあって、後ろには節が続いています。名詞の後ろにthatがあって、そのあとに節があるなら関係代名詞っぽいなと思うのが自然ですが、全然不完全文になっていません

Farnsworth(S)、did have(V)、the idea(O)で、そのあとも前置詞のカタマリが並ぶだけなので、欠けている要素が無いのです。

このように、名詞の後にthatが来て、そのthatが何も欠けていない文(完全文)を導く場合、それは同格のthatとなります。同格のthatとは、手前の名詞がどんなものであるか、その内容を示すもので、訳は「~という…」となります。よって、

とは、「Farnsworthがideaを持っていなかったという証拠」のように、概ね訳が決まります。

 

あとは前置詞のカタマリを1つずつ処理するだけですね。まとめると以下のようになります。

 

 

おわりに

お疲れ様でした!今回は同格と関係代名詞の区別(完全文と不完全文)と、ingの3つの可能性について理解しておきましょう!