分詞構文とは
分詞構⽂の話をする前に、準動詞について説明しておきます。準動詞とは「動詞っぽいけれど、英⽂中でVにはならないもの」のことを指します。例えば、
The boy running in the park is my brother. 公園で⾛っている男の⼦は私の弟だ。
という文があったとして、動詞Vはis、その前にある名詞のカタマリThe boy running in the parkが主語Sになりますね。では、runningにはどのような役割があるでしょうか。これは、⼿前にある名詞boyに対して、「⾛っている」という情報を付け加えて詳しくしています。名詞を詳しくする(修飾する)のは形容詞の役割なので、runningは形容詞だったとわかります。つまりは、runにingをつけただけで、動詞が形容詞になったということです。
中学⽣の頃に〜ingで「〜すること」と表現する動名詞を習いましたね。あれも動詞にingをつけただけで、名詞になったというだけなんです。ということは、動詞にingをつけて、副詞にしてもよさそうですね。これが今回やる「分詞構⽂」の正体です。 分詞構⽂とは、副詞の役割をする動詞のing形のことなのです。
つまりこれから動詞のing形をみたら、「これは名詞の役割か︖形容詞かな︖副詞か
な︖」と考えなければならないということです。なんだかこれ、とある⽂法に似ている感じがしませんか︖動詞に何かがくっついて、3つの品詞の役割をする、つまりこれは「to不定詞」の考えかたと全く同じなのです。to不定詞には、「名詞的⽤法」「形容詞的⽤法」「副詞的⽤法」の3つがありましたね。ingについては、名詞っぽく使われたら「動名詞」、形容詞っぽくつかわれたら「分詞」、副詞っぽくつかわれたら「分詞構⽂」 という名前がついているだけです。こうした、動詞に何かがついて、動詞以外の品詞として働くものたちをすべてまとめて、「準動詞」と読んでいるわけです。
それでは、まずは分詞構⽂がどのように作られるかについて、以下で⾒ていきましょう。
※上記の内容の中で、品詞やSVOCなどについての知識が出てきましたが、これについてよくわからなかった人は、「英文法導入講座」の記事をご参照ください。
englishmate1031.hatenablog.com
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分詞構文の作り方
以下の英⽂を⾒てください。
When I played soccer, I got injured. サッカーをしたときに、けがをした。
なんてことない、よくみる普通の⽂ですね。ところが、どうやら英語をつかって話している⼈たちの中には、以下のように考える⼈がいるみたいなんです。
・いちいち接続詞書くのめんどくさいなー。
・⼀⽂の中で、おなじ主語を⼆回も書きたくないなー。
・読んでいる⼈に、「けがをしたこと」のほうが重要だとアピールしたいなー。
まあ気持ちはわからなくもないでしょう。いままで英語を学んできたひとなら、なんか英語ってやたら省略したがるな、と感じた⼈も少なくないのではないでしょうか(⽇本語もひとのこといえないけど)。さて、こうした「もうちょっと⽂にゆるーく補⾜したいな」という要望に答えてくれるのが、分詞構⽂です。以下の3つの⼿順で、分詞構⽂は作られます。正直どの順番でもいいのですが、以下の順がおすすめです。
①被っている主語のどちらかを消す
②主語を消した⽅の動詞をing形にする
③接続詞を消す
それでは、さっきの例⽂で検証しましょう。もう⼀度例⽂を⾒てみてくださいね。
①被っている主語を消す
この英⽂のうち、「そんなに重要じゃないな」と思う⽅の節の主語を消しましょう。今回は「けがをしたこと」のほうが重要だったと仮定して、When節のIを消すことにします。
When I played soccer, I got injured.
⇩
When _played soccer, I got injured.
こんな状態になりましたね。
②主語を消した⽅の動詞をing形にする
次に、主語を消したほう、今回の例⽂ならwhen節の動詞をing形にします。よってplayedをplayingに変えることになります。
When played soccer, I got injured.
⇩
When playing soccer, I got injured.
③接続詞を消す
さて、最後は接続詞を消すだけでOKです。ところで、なぜ接続詞を消してよいのかわかりますか︖接続詞というのは⽂字通り、「節と節をつなげる語」のことです。節とはSVを持ったカタマリのことなので、節が2つあるときには、必ず接続詞が1個必要になります。
もともとの例⽂は、
のように、コンマの左右にSVをもつカタマリ(節)があるので、それを接続詞whenがつないでいたわけです。しかし、⼿順②まですすんだころには、whenからコンマの間には、節がなくなっています。playedがplayingになったことでVにはできず、さらにその主語も消したのでSもありません。よって、接続詞が不要になり、削除して良くなるのです。
When playing soccer, I got injured.
⇩
Playing soccer, I got injured.
これで、分詞構⽂の作り⽅は以上です︕3つの⼿順さえ覚えれば、結構簡単に作れます。
過去分詞から始まる分詞構文の正体
どうやら過去分詞から始まる分詞構文があるらしい
先ほど、1ページ⽬に「分詞構⽂とは、副詞の役割をする動詞のing形のこと」と説明しました。ところが、どうやらing形ではなく過去分詞から始まる分詞構⽂があるのです。例⽂を⾒てみましょう。
Written in English, this book helps you to learn English.
英語で書かれているので、この本はあなたが英語を学ぶのに役⽴つ。
どこにもing形がないので、これではさっきまでの説明と⾷い違っています。実は、この英⽂では、ing形は隠れているのです。まずはもとの⽂からどのように分詞構⽂が作られたかを考えてみましょう。
なりたちを考えてみよう
訳から判断して、この英⽂は「この本は英語で書かれている」と「この本はあなたが英語を学ぶのに役⽴つ」という2つの⽂から成り⽴っているのでしょう。英語で書いて、2⽂を接続詞を使ってつなげると、以下のようになります。
This book is written in English, so it helps you to learn English.
※itはthis bookのこと。
コンマの左側は、どうやら受け⾝の⽂だったみたいですね。ここが今回のポイントなので、よく覚えていてください。さてここから、先ほど使った⼿順をもう⼀度使い、分詞構⽂を作っていきましょう。⼿順は以下の3つですね。
①被っている主語のどちらかを消す
②主語を消した⽅の動詞をing形にする
③接続詞を消す
それでは順番にやっていきましょう。
①被っている主語のどちらかを消す
今回は「この本はあなたが英語を学ぶのに役⽴つ」ということをアピールしたいので、こっちの⽂はそのまま残します。よって、最初のthis bookを消しましょう。
This book is written in English, so it helps you to learn English.
⇩
is written in English, so it helps you to learn English.
②主語を消した⽅の動詞をing形にする
当然は動詞はisなので、これをing形にします。isはbe動詞ですから、もとの形はbeです。それにingをつけてbeingと表記します。というわけで、この段階では、英⽂は以下のようになります。
is written in English, so it helps you to learn English.
⇩
Being written in English, so it helps you to learn English.
③接続詞を消す
さて、コンマの左側にあったはずの節が、いつのまにかSVという形を失っていますね。よって、接続詞であるsoがいらなくなるので消してしまいましょう。
Being written in English, so it helps you to learn English.
⇩
Being written in English, it helps you to learn English.
さて、これで3つの⼿順が終わりましたが、これでは「過去分詞から始まる分詞構⽂」ではありませんね。実は分詞構⽂には、「分詞構⽂を作る際に⽣まれたbeingは省略してもよい」というルールがあるんです。よく考えてみたら、いきなり過去分詞から始まったところで、「あ、過去分詞ってことは、もともとは受け⾝の⽂だったんだ」とわかるからです。英語は、「書かなくてもいいなら書かない」という態度が徹底している⾔語です。よって、分詞構⽂のbeingはほぼ100%省略されます。そうして、
Being written in English, it helps you to learn English.
⇩
Written in English, it helps you to learn English.
という、過去分詞から始まる分詞構⽂の出来上がりです。次は訳し⽅について⾒ていきましょう︕
分詞構文の訳
分詞構⽂は、もとの⽂についていた接続詞を消して、ing⼀つでその意味を表そうとするので、さまざまな意味を持っています。試しに、『表現のための実践ロイヤル英⽂法』という⽂法書を⾒てみると、時・原因「〜するとき、〜したところ」、原因・理由「〜なので」、付帯状況「〜していて、〜で」、動作や出来事の継起「〜して、そして…」、条件「〜なのであれば」、譲歩「〜する(した)ものの」のように、6つの意味が掲載されています。6つの意味や訳を覚えるだけでもなかなかに⼤変ですが、それ以上に、英⽂に分詞構⽂がでてくる度に、「これは付帯状況かな︖条件かな︖」と考えるのはもっと⼤変で時間もかかります。そのため、とりあえずは、分詞構⽂がでてきたら「〜して」と訳して、慣れてきたらそこから訳を広げていくようにしてください。それでは、いくつかの例⽂で確認してみましょう。
おわりに
以上、分詞構文の基本的な内容でした!次は、独立分詞構文や、実際に共通テストで出題された英文の和訳にチャレンジしましょう!
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