英検の対策は、「英検の対策を後回しにすること」
はい。めっちゃあやしい見出しですね。でもね、これ結構正解なんですよ。
というのも、個別指導塾で指導をしていると、生徒が「テキスト(参考書)は用意したから英検の対策授業をしてほしい」と持ち掛けてくるときがあります。そういう生徒が良く持ってきてくれるのは、過去問か英検○○級総合対策教本みたいなやつです。でも英語が苦手で、英検の合格が怪しいという生徒にとっては、最初のうちはこれらのテキストは、ときとして毒になってしまいます。
「英検の対策」は「高校英語がざっくり終わった」そのあとで!
英検準2級、2級のレベルについて、英検公式によれば、前者は高校中級程度、後者は高校卒業程度となっています。まあつまりですね、「高校の英語がわかれば英検は余裕」ってことです。
というわけで、英検のもっとも合理的な対策は、「高校英語をちゃんと勉強する」ことです。いや分かりますよ。当たり前だろって言いたいんでしょ。でもね、これを全然やってくれないんですよ生徒は。だって英検の対策しようってなったら、まず英検の参考書のコーナー行くでしょ。もちろんいきなりそうしていい人もたくさんいますよ。でもね、それはあくまでも高校英語の基礎がわかっている人間です。
英検の対策は高校英語からです!
具体的になにをやればいいのか
ということで、言うまでもなく高校英語から始めることになります。ここからは高校英語学習フェーズと、英検対策フェーズに分けて説明します。目安としてですが、高校英語学習フェーズは、普段の定期テストで75点以上くらい、または評定が5段階中4以上を安定して取っている人は、すぐに英検対策フェーズに入っていいです。それ未満の人は、まずは高校英語フェーズからです!
高校英語学習フェーズ
ここでの目標は、
この2つです。
➀については、基本的な文法と単語を知識としてインプットする、➁については、網羅的に英文法を学び、英検の問題を解いていて初めて目にする文法的な知識がほぼない状態を目指します。
文法の勉強法
文法の参考書使うか、総合英語を使って勉強するかの二通りになりますが、個人的には圧倒的に総合英語がおすすめなので、これについて説明します。
総合英語というは、高校に行くと配られるあの分厚い英分法の本です。UltimateとかForestとかbeとかね。あれと、付属している例文集を使って進めるやり方です。
やり方
・まず総合英語と例文集を用意!
⇒高校生(もしくは高校生だった)皆さんは、学校から分厚い英文法書を配られませんでしたか?代表的なものでいうと、『Vision Quest 総合英語Ultimate』や『Forest』『be』などですね。たくさん種類があるのですが、別になんでも大丈夫です。それで、その文法書にほぼ必ずと言っていいほど、例文集という薄い冊子があるんです。それを使います。
・教材は基本的に例文集のみ
⇒基本的に例文集は左ページに英文、右ページに和訳の構成で、単元別に例文が載っています(逆の場合もあるようですが)。そこに載っている例文を英語から日本語に、順番に訳していってください。訳せたものにはチェックをつけましょう。これを数周して、すべての例文にチェックが付いたら、それだけで文法そのものの勉強は終わりとなります。
・わからない文法(例文)に出会ったら、文法書を開け!
⇒総合英語というのは、いわゆる文法の辞書です。わからない単語に出会ったら辞書を引くのと同じで、例文を訳していく過程で、「なんでこんな訳になるんだ?」「この文法単元よくわからないなあ」のような状態になったら、すぐに該当のページを開いて読んでみましょう。
上記のやり方で、何度も例文集の英文を訳してみてください。おすすめの総合英語を以下に掲載しておきます。私のおすすめは・Vision Quest総合英語Ultimate2nd Edit です。他にも、総合英語で、かつ例文集がついていれば基本的になんでもOKです。説明の仕方や網羅性に違いはあれど、大きな差はありません。
こちらもおすすめ⇓
価格:1870円 |
アトラス総合英語 英語のしくみと表現 ATLAS English Grammar and Expressions / 佐藤誠司 【本】 価格:1595円 |
詳しい話は以下の記事に記載しています!ぜひご参照ください。
englishmate1031.hatenablog.com
この勉強法のメリットは、「網羅性」と「効率」です。
前者については、総合英語に載っているほぼすべての英文を日本語に訳す作業をするわけですから、まんべんなく文法を履修できます。後者については、他に比べてやってることが「訳すだけ」というかなりシンプルな作業などで、1つの単元に当てる時間がかなり少なくて済みます。この後に「英検の対策」をする以上は、これくらい効率が良いのが理想的です。
単語の勉強法
※ターゲット1400or1900レベルの単語帳ならなんでもいいです。
心構え
まず、単語帳を2~3周した程度で、英単語が覚えられるとか、そういう思考は捨ててください。単語帳は何周も、何十週もして身につけていくものです。覚えられなくても、「まあ次覚えればいいか」の精神で進めてください。
大まかな流れ
〇1周目
わかる単語とわからない単語の仕分け作業をしていきます。英単語帳には、見出し語の隣に▢のような四角形のチェックボックスがあるので、分かった単語には、☑のようにチェックをしましょう。何度も言いますが、覚えようと思わないことが肝です。
〇2週目以降
まだチェックがついていない単語だけをみて、1周目と同じことをします。わかったらチェックをつけて、そうでなければ意味を確認してスルーです。すべての単語にチェックが付けば、それで終わりです。
これだけです。結構簡単じゃないですか?私は普段自分の生徒に、特に4月から担当した受験生には、6月終わるまでこのやり方続けて、8割くらい覚えるのを目標にするように伝えるのですが、面白いくらいに覚えてくれます。
1単語にかける時間は多くても10秒以内にしてください。数秒考えてもわからない単語は、すぐに意味を確認して、次に進んでください。覚えてなくてもいいんですよ。次見たときに覚えれば。
何周もしていくうちに、見なきゃいけない単語はどんどん減っていきます。最後の方なんて1周するのに30分くらいしかかからないこともあります。
詳しい内容は以下の記事に記載しています。ぜひご参照ください!
englishmate1031.hatenablog.com
英検対策用の基礎は、上記で挙げた「文法」と「単語」の勉強で十分です。1か月もあれば十分すぎるくらいの分量でしょう。
英検対策フェーズ
お待たせしました。ここから英検対策フェーズについて話します。
ずばりやることは一つだけ!「過去問を解いて解いて解きまくる」です!死ぬほど解いて死ぬほど復習してください。正直これだけです笑。
リーディングパート
▶語彙は単語帳にのっている単語だけ覚えれば十分です。仮に乗っていない単語が出てきたら、余力があれば覚えた方がいいですが、時間がない人はガン無視でいいです。ただ、これしらんなと思った単語が、もしお持ちの単語帳にあったなら、それは手ってして覚えましょう。
長文パートについて、復習方法は以下の記事に示す通りに、苦手を分析してみてください。
リスニングパート
▶もう腐るほどリスニング勉強法の記事が世の中にはあふれているので、ディクテーションなりシャドーイングなり、好きな勉強法に取り組んでみて下さい。調べれば無限に出てきますから、参考にしつつ自分に合うものを探しましょう。そして、そういう、ディクテーションとかシャドーイングがどうも合わないなって人は、以下の記事のやり方を取り入れてみるといいでしょう。
ちなみに下記の記事は半分くらいタイトル詐欺です(笑)。でもちゃんと有用なやり方ですよ!
englishmate1031.hatenablog.com
高校英語の学習は、長い目で見てめっちゃ近道
中には、「いやとっとと英検の勉強させろよ」と感じた人もいるかもしれませんが、多くの人の最終ゴールは英検ではなく、大学入試のはずです。結局高校英語の勉強を、どこかで網羅的・体系的にやることになるんですよ。英検はその前座にすぎません。最近はおそくても高校二年生までに英検2級程度を目指す子がかなり増えたので、そうした子たちにはまずは高校英語を徹底することをお勧めします。そこで得た知識は、必ず共通テストで、そのほかの大学の試験で役に立つことでしょう。