レクシプローラの英語放浪ブログ

あなたの英語の「わからない」と「なぜ」に答える英語学習ブログです。

【英語長文の読み方】具体と抽象がわかると、文章の展開は手を取るようにわかる!

 

英語を読む人が早い人はどんな人?

いきなり持論なのですが、英語(ここでは英語長文のこと)を読むのが早い人には、大きく2種類いると考えています。

 

①単語や文構造のスピードがネイティブ並みに早くて、その能力でごり押しする人。

②文章の展開や、論理構造などを汲み取り、さらには予測して読む人。

 

①は言い換えれば、特に何も考えないで(もしくは無意識的に考えながら)、与えられた文字列を高速で脳内で処理する人のことです。まあ、言ってみればネイティブっぽい能力を持っている人だと思います。我々日本人も、日本語の文章を読むとき、そこまで何も考えてなくても、書いてあることがある程度理解できる場合がほとんどでしょう。

 

②はどうでしょう。②の人の読み方というのは、例えば、「今ここで✕✕と言っているから、次は○○についての説明がありそうだな」とか、「今抽象的なこと言っているから、具体的な内容がきてほしいな」とか、そんなことを考えながら読んでいる人のことです。

 

さて、受験生が目指すべき像はどちらかというと、これはもう絶対に②です。理由はシンプル、①はぜーーーーーーーーーーーったいに無理!だからです。

 

旧帝大早慶上智などを目指す人間については別ですが、受験生として、志望校合格のために、真剣に勉強する期間は、おそらく高3になってからの1年間、もしくは浪人してもう1年程度でしょう。そんな期間で、ほかの教科の勉強もしながら、①のようになろうなんて、そんなの無理ですよ。よほどの超人でなければね。だから目指さなくていいんですよそんな状態は。文章との向き合い方がつかめれば、ちゃんと時間内に読み終わるし、理解もできます。

 

※ただ、前提として単語や文法は身についてなければなりません。長文に関するそうした内容は以下の記事に書いたので、ぜひご覧ください。

englishmate1031.hatenablog.com

 

「不安」が時間を奪う

特に共通テストやTOEICなど、時間の制約がかなり厳しい試験において、受験生から時間を奪う要素として、「不安」が挙げられます。

 

・今読んだ英文の解釈あってるかな?

・問題の根拠ここであってるかな?

・今読んでいる部分ちゃんと理解できてるかな?

 

とか、試験中にあれやこれやと「不安」がでてきて、一度見た部分をまた見返して、もう一度読み直して・・・としているうちに、時間が来てしまうのです。

 

そして、この「不安」を解消する方法が、「予測」をして、もっと言えばそれが「的中」することです。

 

 

実際にどうやって読めば楽なのか

とりあえず普通に長文を読んでみる

私がここで掲げる理想の文章との向き合い方は、文章の展開を「予測」して、なんならそれが「的中」することです。すこし前置きが長くなったので、実際に長文を読んでみましょう。

 

英検準2級2023第3回 大問4-Bより引用

 

まあ準2級ですから、そんなに苦戦はしなかったでしょう。ここではあくまでも、向き合い方という方法論を学ぶことを重視してください。

 

文章の展開を予測してみよう

第1段落

Although people usually avoid pain, there are some situations where people seem to enjoy it. For exmaple, some people really like eating spicy foods chili peppers.

 

こんな感じの文から始まります。一文目には、「人々は通常痛みを避けるのだが、一部人々がそれを楽しんでいるように思われる状況がある」と書いてあります。じゃあ、「この文に質問してみて」と言われたら、なんて尋ねますか?そうですね。「どんな状況?」です。つまり一文目の内容というのは、抽象的(ぼやっとしている)なので、その具体を、読み手は欲しがるわけです。当然作者もそれを知っているので、次からその具体例が、For example~と始まっていきます。どうやら、「例えば、唐辛子の入ったスパイシーな食べ物が大好きな人もいる」みたいですね。「予測」が「的中」しています。

 

ちなみに以降の文章、段落においてもやたらchili pepperが出てきますね。おそらく、からいもの(=唐辛子)の話なんでしょう。

 

次の文にはこう書いてあります。

 

However, they are very popular, and they have become an important part of the food culture in places such as Mexico, India and Korea.

しかし、それらはとても有名で、メキシコやインド、韓国のような場所で、食文化の重要な部分となってきている。

 

an important partとは、例えばどのようなことなのか、どれくらい重要なのか、そのような具体論がまだしめされていません。第1段落はこれでおわりなので、次の段落意向で説明がありそうだなと考えておきましょう。

 

第2段落

一文目は…

There are a variety of shapes, colors, and sizes of chili peppers. 

様々な種類のチリペッパーの形、⾊、サイズがある。 

 

さて、この文にも質問してみましょう。「様々な種類の…とあるけど、どんな種類?」くらいでよさそうです。この後には、chili peppersの種類が来るのでしょう。そう思って読んでみると…

 

Some kinds of chili peppers, such as poblano peppers, are not very spicy at all. 
Other kinds of chili peppers, such as habanero peppers, are not really spicy. 

唐辛子の種類によっては、例えばポブラーノ唐辛子などは全く辛くない。
ハバネロ・ペッパーのような他の種類の唐辛子はあまり辛くない。

 

やっぱり予想通りです。例えばこんなchili peppersの種類があるよと、紹介してくれています。こういうのが、「予測」の「的中」なのです。

 

※おまけ

 

第3段落

Scientists guess that chili peppers produce capsaicin to protect their seeds. 
科学者たちは、チリペッパーは、彼らの種を守るためにカプサイシンを⽣み出していると推測している。

 

こんな文から始まりました。この段落の一文目に書かれたこの文は、カプサイシンがどのように種を守っているのか、その具体的な内容をまだ説明してくれていないので、この後に説明してくれそうだなあと思って読みましょう。すると…

 

Animals like mice damege the seeds when they eat chili peppers, but capsaicin is too spicy for such animals.

However, birds do not damage the seed when they eat chili peppers, and capsaicin has no effect on birds.

ネズミのような動物は唐辛子を食べると種を傷つけるが、カプサイシンはそのような動物には辛すぎる。
しかし、鳥類は唐辛子を食べても種を傷めないので、カプサイシンは鳥類には影響しない。

 

やっぱりカプサイシンの効果について、具体的に説明が来ましたね。

また、こんなことまでできなくてもいいのですが、「なんで動物には効いてて、人間は普通にカプサイシン入ってる唐辛子食べてるんだ?」と疑問をもてたらめっちゃいい感じです。まあそんなことしなくても、ちゃんと説明は後ろに来るんですけどね。

 

Humans can eat chili peppers because they mix the peppers with other foods so that they are not too spicy.

人間が唐辛子を食べられるのは、唐辛子を他の食べ物に混ぜて辛くなりすぎないようにしているからだ。

 

第4段落

一文目にはこう書いてあります。

People have been growing and eating chili peppers in South America for thousands of years
南米では何千年もの間、人々は唐辛子を栽培し、食してきた。

 

現在完了進行形「ずっと~している」とfor thousands of yearsで、どうやら過去から今に至るまでの歴史っぽいことが語られているなと考えて、この後もそういう歴史系の話が来そうだと予測します。すると…

 

European explorers first took chili peppers from South America to Europe over 400 years ago

ヨーロッパの探検家たちが初めて唐辛子を南米からヨーロッパに持ち込んだのは400年以上も前のことだ。

 

やっぱり歴史系の内容でしたね。最後のこの段落は、どうやらchili pepperの歴史について書くために設けられていたようです。まあ確かに、これまでの段落でそう言った内容はなかったので妥当でしょう。

 

フォーマルな文は、文字通り「形式」がある程度決まっている

最近の入試では、アカデミックでフォーマルな文章が、長文問題として出題されることが多いわけですが、フォーマルな文というのは、ある程度文章の書き方が決まっています。抽象的なことを言えば、その具体例を後ろに書くし、段落ごとに話題が分けられているし、読者がわからなそうなことは、読んでいくうちに解決するようになっているんです。だから、「あ、次○○のこと話しそうだな」と思って読んで、実際にそれがくる、そういった読み方ができるように設計されているのです。そのため、我々読み手も、その意図を汲み取って、「予測」して「的中」させましょう。「的中」したとき、あなたの長文への「不安」はスーっと消えていきます。だって、自分が思ったとおりに、文章が展開していくのですから。