レクシプローラの英語放浪ブログ

あなたの英語の「わからない」と「なぜ」に答える英語学習ブログです。

【現在完了】現在完了はまず感覚を理解しろ!

 

本質的な部分から理解しよう。

現在完了とは

 英語の時制には現在と過去がありますが、現在形を使った文、過去形を使った文というのは、すごくピンポイントな話をしていて、一瞬の出来事しか表現できません。例えば、I played baseball yesterday.という文があったとして、「野球をした」という事実は、英語という言語の中で考えられている時間の軸の中では、「yesterday」つまり昨日だけという一瞬の中で、野球をしたという意味なのです。

 

 

ところが、「過去のあの時から今まで」を表現したい場合があります。例えば「小学生の頃からずっと野球を続けているんだ」というようなことです。ただ、過去形だけ、もしくは現在形だけ使っても、「過去のあの時から今まで」という時間に幅があるような表現はできません。過去形や現在形は一瞬の出来事だからです。そこで登場するのが「現在形完了形」である「have + 過去分詞形」です。

現在完了は、「過去のあの時から今まで」という、通常の英語(過去形や現在形)では表現できないほどの「時間の幅」を表現するべく、過去形と現在形をまたぐように、現在形であるhaveと、動詞の過去分詞形を両方使います。過去分詞形という名前が付くくらいですから、文の中に置かれることで、「過去」のイメージを追加できるのです。現在形(have)と「過去」のイメージをもった過去分詞形を同時に書くことで、「過去のあの時から今まで」という時間の幅を表現しているということです。

 

 

訳を暗記する前に

現在完了はよく、以下の3つの訳があると習うかと思います。もちろん覚えなければいけないので、暗記は避けられませんが、少し楽に覚えられる方法があるので説明します。いったん訳を見てみましょう。「○○用法」という言葉が苦手な人は、その用語は別に覚えず無視してOKです。

 

継続用法:「ずっと~している」

完了用法・結果用法:「(ちょうど)~したところだ」「(すでに)~してしまった」

経験用法:「~したことがある」

 

さて、ここからが少し重要です。

まず、現在完了は「過去から今まで」が根本的なイメージです。このことから、現在完了は以下の2つの性質を持つことになります。

 

①時間に幅があること

②「今(現在)」に対して、何かしらの影響があること

 

①については大丈夫でしょう。「過去から今まで」を表すのですから、時間に幅があるのは当然です。②が難しいですね。とりあえず現在完了をつかった例文を見ながら、考えていきましょう。

 

継続用法「(ずっと)~している」

継続用法とは、過去から始まって、今もやっている状態です。

 

例)

1.私は子供の時から英語を勉強している。 I have studied English since I was a child.  
2.私は5年間英語を勉強している。 I have studied English for five years.  

 

1.の例文から考えてみましょう。「私は子供の時から英語を勉強している」を表現したいとき、なぜ現在完了を使わなければいけなかったのかを、さきほど紹介した現在完了の2つの性質に基づいて検証してみましょう。 


①時間に幅があること 
⇒(何歳からかはわからないけど)子供の時から英語の勉強を始めて今に至るわけですから、過去から今までの「時間の幅」があります。 


②「今(現在)」に対してなにかしらの影響があること 
⇒この文の意図としては、子供のころに初めて、「今も続けているんですよ」ということを伝えようとしています。よって、過去に始まった英語の勉強が、今も続いている(=今に影響がある)ので、②の性質も当てはまっています。 
 
よって、「私は子供の時から英語を勉強している」は、現在完了を使って、 I have studied English since I was a child.と表すわけです。

 

 

2.の例文も、同じように考えてみましょう。

①時間に幅があること 
⇒5年間も英語の勉強を続けているのですから、いうまでもなく「時間の幅」があります。 
 
②「今(現在)」に対してなにかしらの影響があること 
⇒1.の例文と同じで、「5年間続けているよ」という時には、おそらく今もそしてこれからも続けていくという意図があるはずです。よって、過去に開始して、5年続いた英語の勉強は、もちろん今も続けている(=今に影響がある)ので、②の性質も当てはまります。 
 
以上の理由から、「私は5年間英語を勉強している」を「I have studied English for five years. 」と、現在完了を使って表現したわけです。

 

 

完了用法・結果用法「(ちょうど)~したところだ」「(すでに)~してしまった」

これらの用法は、「過去から始まって、今終わった」ととらえると良いでしょう。 

例)

1.私はちょうど宿題を終えたところだ。 I have just finished my homework. 
2.彼はすでに宿題を終えてしまった。 He has already finished his homework. 


文法の解説とはあまり関係ありませんが、状況としては、1.は「放課後に宿題を一緒に教室に残ってやらないか、と友達に言われてあなたが言うセリフ」2.は「放課後に、友達の彼に、一緒に教室に残って宿題をしようと誘ったら、もう彼は宿題が終わっていた」という感じです。さて、これらの文が、現在完了の性質にどのように当てはまるのかを考えてみましょう。まずは 1.の例文からです。

 
①時間に幅があること 
⇒宿題を終えたということは、過去のどこかのタイミングで宿題を始めたということです。そして今現在は終わっているわけですから、過去から今までの「時間の幅」がありそうです。

 
②「今(現在)」に対してなにかしらの影響があること 
⇒今への影響がありまくりです。あなたは友達に「一緒に宿題をしよう」と誘われ、「今」ちょうど終わったと断られたのです。いうまでもなく「今」に影響があることがわかります。 

 

 

2.の例文についても見てみましょう。 


①時間に幅があること 
⇒1.の例文と同じ理由です。「宿題を終えた」=「過去のどこかのタイミングで宿題を始めて今はもう終わっている」ことを表現したいため、「時間の幅」を考えて現在完了が使われます。 


②「今(現在)」に対してなにかしらの影響があること 
⇒「すでに終えてしまった」ということからわかるように、この発言をする人は、宿題なら「今」もう終わっているという意図を持っています。よって、今に対する影響があるので、この性質も持ち合わせていると考えていいでしょう。

 

 

経験用法「~したことがある」

経験用法は「過去から今までの思い出をさかのぼる」用法です。

 

例)私は京都に2回行ったことがある。I have been to Kyoto twice. 


経験の用法は、「過去」から「今」までを思い返して、「あーそういえばこんなことあったな」と自分の思い出や経験を振り返るようなものです。さて、①・②の性質を検証してみましょう。 


①時間に幅があること

⇒先に述べた通り、経験の用法は、「過去から今まで」の振り返りです。当然過去と今をつなぐほどの「時間の幅」があるはずです。


②「今(現在)」に対してなにかしらの影響があること

⇒過去の思い出を語ることができるのは、その思い出が「今も残っているから」です。よって、今に対する影響もあると考え、現在完了が使用できます。

 

 

本質から理解した方が楽

私は、暗記を排除する考え方には、全くもって反対です。言語なんてのは結局行きつく先は暗記です。ただ、暗記をある程度楽にすることはできます。例えば現在完了なら、その文法がやろうとすることは何か、そういう根本的な部分をつかんでから暗記をすると、理解が圧倒的に楽になります。ここでは、「時間の幅」「今への影響」の2つを抑えて、ゆっくりと訳を覚えていきましょう。