レクシプローラの英語放浪ブログ

あなたの英語の「わからない」と「なぜ」に答える英語学習ブログです。

【助動詞】イメージと役割を理解して、暗記を楽にする助動詞の学び方。

 

そもそもなんのために助動詞を使うのか

まず、助動詞の役割について考えてみましょう。以下の例⽂を⾒てください。 


He is a soccer player. 彼はサッカー選⼿です。 


この例⽂は、「彼はサッカー選⼿」であるという客観的な事実を表しています。「彼」のことを誰がどう思うかに関わらず、「彼はサッカー選⼿」なのです。ただ、これでは、話している⼈の「思考」や「判断」が表現できません。「彼はサッカー選⼿かもしれないな」「彼はサッカー選⼿にちがいないな」と、いろいろな考え⽅があっていいはずです。こうした、 話し⼿の「思考」や「判断」を⽰すことが、助動詞の役割なのです。

 

助動詞を使うときのルール

まずは、助動詞を使うときのルールの確認です。中2で習う内容なので知っている人がほとんどだと思いますが、念のため、確認しておきましょう。

 

ルール①:助動詞の後ろは動詞の原形

〇He can run fast.

✕He can runs fast. 

 

ルール②:三単現のSルールが適応されない

〇He can run fast.

✕He cans run fast.

 

ルール③:否定するときは、notは助動詞の後ろに

He can't run fast.

 

ルール④:疑問文にするときは、助動詞を前に

Can he run fast?

 

ルール⑤:助動詞を2つ連続で並べることはできない

〇He will be able to run fast.

✕He will can run fast.

 

助動詞の意味

助動詞にはそれぞれ核となる意味があり、そこから中学⽣の頃に習う「基本の意味」と、 「予想の意味」が出てきます。参考程度に、⼤まかな意味の分類を以下に⽰しますが、あまり表で覚えようとせずに、助動詞ってこんな感じの意味があるんだなあ、と⼤雑把に確認してください。各助動詞についての詳しい説明は、3-1.以降でします。

 

will

willは「絶対にやってやる!」というような、強い意志を感じる助動詞です。文法書によってはwillの説明に意志未来という言葉を使うのですが、それはこうしたイメージに由来しています。

willの強い意志が現れる一例をあげると、皆さんワンピースという漫画をご存知でしょうか。その主人公であるルフィの有名なセリフとして、「海賊王に俺はなる!」というものがあるのですが、これ英語版だと「I'll become the king of the pirates!!!!」になってるんですよ。ルフィの「絶対に海賊王になってやるぞ」という強い意志が、willによって、表現されているわけです。

 

willの説明には未来という言葉が使われがちですが、そこにはとらわれず、イメージを大切に訳や意味を派生させていきましょう。

 

基本の意味➡意志「(必ず・絶対)〜するつもりだ」

 

 ※3つ⽬の例⽂は、ドアが主語になっていることから、「ドアが強い意志をもって開こうとしなかった」という意味です。いかにも英語的な思考ですね。

 

予想の意味➡「(必ず・絶対)〜だろう」 

 

発展内容➡習慣・習性「(よく)~する」「~するものだ」

なにかの習慣や習性を表すのにもwillが使えます。別に訳を覚えなくても、「絶対~する」という意味さえ覚えておけば、結構すぐに理解できるはずです。

 

 

 ここでもwillの「必ず・絶対〜する」という意味は変わりません。例えば1つ⽬の⽂では、 「⾚ちゃんは必ず・絶対泣く」という直訳が、「⾚ちゃんは泣くものだ。」という訳に⾏きついているのです。

 

can

canは、日本語でいうところの「」の意味を核に持っていて、ここから以下のような意味に派生します。意味を思い出せなくなったら、まず頭の中で、「可」を使った熟語を連想してみましょう。

 

 基本の意味➡可能「〜することができる」(=be able to do)

 

予想の意味➡可能性「〜する(〜である)可能性がある」「〜はあり得る」 

 ※「可能性」の意味でcanの代わりにcouldを⽤いると、その可能性がちょっと低めだと思っていることを表現できます。 

 

 発展内容➡許可「〜してもいい」

 

may

mayは、自分の考えや予測が、50パーセントくらい(半々くらい)であるときに使われます。意味は大きく二種類です。正直ここは丸暗記のほうが早いです。

 

基本の意味➡許可「~してもいい」

 

予想の意味➡「~かもしれない」

 

must

mustは、もうこれ以上他には考えられない、というような状況で使い、「それしかない!」「そうするしかない!」という感じの意味を持っています。

 

基本の意味➡義務「〜しなければならない」  (「そうするしかない︕」くらいの勢いで) 

 

予想の意味➡「~にちがいない」  (「それしかない︕そうとしか思えない︕」くらいの勢いで)

 

 「1.助動詞の役割について」で説明したように、助動詞というのは話し⼿の「思考」や「判断」を表現するために使う⽂法です。mustを使う場合は、⾃分の考えに絶対的な⾃信がある時です。だから、「しなければならない」とか「ちがいない」という訳に⾏きつくのです。

 

should

shouldは自分の「思考」「判断」に、70%くらいの自信があるときに使います。「ちょっと自信はないけど、まあたぶんこうだろうな」といった程度です。このイメージから、以下のように意味が派生します。

 

基本の意味➡義務・アドバイス「~するべきだ」

 

予想の意味➡「~するはずだ」(70%くらいの確信をもって)

 

言い換え表現のニュアンスの違い

助動詞にはそれぞれ以下のような⾔い換え表現が存在します。

 
will=be going to 
can= be able to 
must=have to 
should=ought to 


さて、上述した内容では、助動詞とその⾔い換え表現がイコール(=)でつながっていますが、 これら2つの組み合わせは、完全に意味が⼀致するわけではありません 。そのため、それぞれの助動詞と⾔い換え表現が、どのように意味やニュアンスの違いを持つのか、以下で説明します。 


「will」VS「be going to」 

will は 「そ の 場 で 決 め た こ と」、 be going to は 「前 か ら 計 画 し て い た こ と、すでに予定として決まっていること」 を指します。以下の例⽂で確認しましょう。 

①の⽂では、Aの「たまごがない」という報告を受け、Bは「あ、じゃあ買いにいかな 
きゃ」と、その場で思いついて、  これから買いに⾏くことを相⼿に表現したので、willを使います。⼀⽅で、②の⽂では、「たまごがない」ことには前から気づいていて、買いに⾏く予定をすでに⽴ててあるようです。前からたまごを買う予定を⽴てていたので、be going toを使うわけですね。また、be going toはwillに⽐べて客観的なことを表す場合に使うことが多いです。例えば、以下のような⽂で使います。 

 

 

まず彼⼥が出産するということは、その場で決まるのではなくて、前々から決まっているはずですね。よってbe going to を使ったわけです。さらに、妊娠しているということはお腹が⼤きくなっているはずですね。誰がどう⾒たって「お腹が⼤きい」という、客観的な事実 があるはずです。こうしたことからも、この⽂ではbe going toが使われています。

「can」VS「be able to」 

諸説ありますが、現在時制で⽤いる分には、意味に⼤差はないので同じものと考えてかまいませんが、⼀応、be able to は本来は 「⼀時的な能⼒」を表すもので、 それが過去形の時にはcouldの違いとなって現れます。 
まず、「できた」と⾔いたい時、ついつい「can(できる)」の過去形としてcouldを使い たくなりますが、  couldは「(当時は)やろうと思えばできた」  という意味でしか使えません。

 

 

上の例⽂は、「速く泳ごうと思ったらあの時は泳げたんだよ。今は年取っちゃってそんなことできないけど」という意味で述べられた⽂です。よってcouldを使⽤しているわけですね。 
では、「(ある場面で一度だけ)できた」というときは、couldは使えませんから、be able to を使います。例えば、「そのチケットをゲットできたんだ!」と言いたいのなら、I could get the ticket!とは言いません。これでは、「手に入れようと思えばいつでもチケットを手に入れられる状況」だったことになってしまいます。しかし想像してみてください。例えば、⾃分の好きなアイドルやバンドのライブチケットを⼊⼿するときには、数倍から数⼗倍にも及ぶ倍率を勝ち抜いてチケットを⼿に⼊れる必要があります。そんな状況が、「まあ⼿に⼊れようと思えばいつでも⼿に⼊れられたけどね」に当てはまる訳がありません。よって、こうした表現ではcouldではなくbe able to を使うのです。 
まとめると、couldは「やろうと思えばできた」つまりある⼀定期間持っていた能⼒について、be able toは⼀時的に持っていた能⼒について述べるときに使います。

 

「must」VS「have to 」

まず、mustは主観的な義務、つまり「(⾃分が)〜しないといけない(と思う)」ことを表現するときに使います。一方でhave to は客観的な義務、つまり「(だれがどう見たって)〜しないといけない」ことを表現するときに使います。以下の例⽂で確認しましょう。

 

①I must study hard.  
②I have to study hard. 

 

①では、例えば「将来は東⼤に⾏きたいから、今のうちから必死に勉強するんだ︕」というニュアンスが感じられます。必ずしもmustがポジティブな意味で使われるという事ではありませんが、⾃分の中から湧き上がる義務感や、決意が表現できるのがmustです。⼀⽅で、②の⽂には、「成績が悪くてこのままだと卒業できない...。必死に勉強しなくちゃ...。」という意味合いがあります。これは、話している本⼈は勉強なんてしたくはないけれど、「(誰がどう⾒たって)成績が悪い」という客観的な理由から、「勉強しなければならない」状況になっています。よってhave toを使ったわけですね。

 

また、must とhave to の否定表現は以下のように違いがあるので、覚えておきましょう。 

 

 

「should」VS「ought to」 

これら2つにほとんど意味の違いはありませんが、ought to はやや硬い表現で、shouldのほうが使われる頻度が圧倒的に多いです。また、ought to を使って否定文を作る場合は、to の前にnotをつけ、ought not toと表記します。

 

 

助動詞は本質的な部分から理解して暗記を楽にしよう!

助動詞は覚えることが多くて大変に見えますが、本質的なイメージを理解すれば、そこから派生させて意味を楽に覚えられます。もちろん暗記という過程は排除できませんが、その手助けにはなってくれるでしょう。